• 機能性材料
  • AGC、高機能化学品CDMO 30年国内首位級へ
  • 2025年11月13日
    • AGC若狭化学の小浜工場
      AGC若狭化学の小浜工場
     <ケミマテ2025>

     AGCは、化学合成を駆使する開発・製造受託(CDMO)事業で、高機能化学品を医薬・農薬に次ぐ収益の柱に育成する。製品の入れ替わりサイクルが早い電子材料向けの素材原料などで、製造体制の確保に課題を抱える化学メーカーに向け、開発から量産までワンストップのサービスを売り込む。2030年ごろまでに、高機能化学品の受託合成で国内トップクラスの企業へ事業拡大を目指す。

     バイオ技術と化学合成を両輪としてCDMO事業を展開する同社。そのなかで化学合成による低分子分野は、医薬・農薬の原体や中間体が中心で、売上高400億円程度の規模を誇る。高機能化学品も手がけており、電子材料向けのモノマーや有機金属触媒、触媒用の配位子といった製品で実績を重ねてきた。

     横浜テクニカルセンター(横浜市鶴見区)で合成手法の開発などを行い、完全子会社のAGC若狭化学がプロセス改善や製造を担う。同子会社の小浜工場(福井県小浜市)に、少量から年産数トン規模の製造に対応できる各種設備を備えるほか、上中工場(福井県若狭町)にはさらに大型の反応器も保有する。受注案件の要請に応じ、これまで継続的に設備の増強や増員を進めてきた。

     ただ、「高機能化学品は医農薬と異なり、業界の開発案件が見えにくくニーズや市場規模の把握が難しい」(AGC)こともあり、マーケティングが事業拡大のネックとなっていた。他方、急激な需要の増加に対して生産体制の構築が間に合わないメーカーの課題を解決するといったニーズは底堅いと見込み、提案活動を活発化する。

     今月上旬には、化学合成CDMOサービスを紹介する専用ウェブページを開設した。さらに、下旬には展示会にも出展し、「まずは高機能化学品CDMOのプレイヤーとして認知度を高めたい」(同社)考え。

     主に国内化学メーカーの手掛ける付加価値の高い機能性化学品をターゲットに据える。プロセス開発からスケールアップ、量産までを一貫して請け負う案件の受注拡大を狙う。同業他社に対する企業規模の大きさを生かし、必要な設備投資に対応できる資金力や、グループの原料調達ネットワークも差別化要素として訴求していく。

     同社は東京ビッグサイト(東京都江東区)で今月27~28日に開催される化学総合展「ケミカルマテリアルジャパン2025」に出展し、高機能化学品CDMOサービスについて紹介する予定。
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