•  中国政府が軍民両用(デュアルユース)品の輸出禁止や輸出審査を厳格化する企業・団体名を公表したことを受け、リストに含まれた日本企業は情報収集を急いでいる。原材料調達や事業活動にただちに影響すると回答する企業は現時点でない。一方で事態が長引けばサプライチェーンの停滞などを招く恐れがあり予断を許さない。

     禁輸対象の企業は、三菱重工業グループなど重工分野の企業が並び、防衛省が公表している「調達実績」の記載企業と一致する部分も少なくない。三菱重工やIHI、川崎重工業など各社は「事実関係を確認中」「影響を精査中」とコメント、情報収集を進めている。

     輸出審査を厳格化する注意リストには化学・素材企業が含まれている。

     界面活性剤などのほかに、化薬事業で宇宙ロケット用固体推進薬や防衛用火薬類などを手がけている日油は「当社が行う原材料調達には、ほとんど影響はないと考えている」と答え、「現時点でとくに対応策はない。引き続き、当社事業を取り巻く環境の変化に注視していく」と回答した。

     石油製品、石油化学製品、潤滑油添加剤などを製造・販売するENEOSは「事実確認を進めている。引き続き情報収集に努めるとともに、必要に応じて適切な対応を検討していく」と答えた。ENEOSは防衛省の調達実績に記載があり、記載のない同業は注意リストになかった。

     三菱マテリアルはグループ企業で超硬切削工具や高純度粉体といったタングステン製品を扱う。一般的にタングステン関連品の生産は、鉱石を高純度に精製した中間材料となるAPT(パラタングステン酸アンモニウム)を起点とし、日本はAPTの8割以上を中国に依存する。同社では対象製品や事業影響について「詳細を確認中」とコメントした。

     このほか、光学材料や精密回路向け基板などを手がける日東電工は「社内で調査中」と答えた。
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