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  • 内閣府-物材機構、素材新興を強力支援 新法人設立
  • 2026年3月12日
  •  内閣府と物質・材料研究機構(NIMS)は素材分野のスタートアップなど民間企業や大学・学術機関を支援する新たな法人を設立した。内閣府の大型研究開発プロジェクト「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」で得た伴走支援やデータ駆動開発のノウハウ、成果を社会に還元する役割を担う。全国の大学や金融機関などとも連携し、日本の素材分野からユニコーン(時価総額が1000億円超の未上場企業)や売上高200億~300億円規模の新事業が次々と生まれるプラットフォームを作る。

     今年1月に一般社団法人マテリアルスタートアップ協会を設立した。今後、スタートアップなどの民間企業、大学・学術機関、ベンチャーキャピタル(VC)などの金融機関といったさまざまな業界に参加を呼びかける。

     SIPの第3期課題(2025~27年度)の一つで、NIMSが研究推進法人を務める「マテリアル事業化イノベーション・育成エコシステムの構築」ではスタートアップ支援を通じ、伴走支援やデータ駆動型開発のノウハウ、成果を蓄積した。イノベーション(技術革新)の社会実装に必要な5要素(技術、事業、ガバナンス、社会、人材)の成熟度に基づく進捗管理や評価手法を確立。論文などの公開情報を収集して大規模言語モデル(LLM)で分析する機能、全国の学術機関が保有するネットワーク化された評価データなどを取得・活用する機能、データを暗号化したまま機密情報などが分析できる秘密計算などを整備・開発した。

     素材・化学分野に特化したVC、ユニバーサル・マテリアルズ・インキュベーター(UMI)の木場祥介代表取締役パートナーがプロジェクトリーダーを務める同プロジェクトは、採択を受けたスタートアップも大型の資金調達に成功し、ソフトインフラやデータ連携基盤などの開発、体制づくりが進み当初計画のマイルストーンを達成したことを受けて、想定した5年間よりも早い25年度末で終了する。新法人にはプロジェクトの支援機能を集約し、素材分野のスタートアップや新事業を育むエコシステム(生態系)を全国に広げるプラットフォームづくりに継続的に取り組む。

     政府の「グリーントランスフォーメーション(GX)戦略地域」創設を受けて、全国のコンビナート地区にスタートアップなどを呼び込み新産業を創出する動きも広がる。例えば、川崎市はクライメート(気候変動)テックの研究開発から実証実験、生産までを一気通貫で提供する産業拠点を新設する計画。新法人は各コンビナートのネットワーク化、地方発スタートアップの支援などにも主体的にかかわっていく方針だ。
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