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  • 中国化学企業、天然由来品や再生品増強 輸出に活路
  • 2024年11月27日
    • 杭州富陽鴻源再生資源利用は来年8月に本社工場の生産能力を倍増
      杭州富陽鴻源再生資源利用は来年8月に本社工場の生産能力を倍増
     <ケミマテ2024>

     <中国化学企業、日本をフィールドに/下>

     先週開催された「ケミカルマテリアルJapan2024」に出展した中国企業は生産能力を強化し、海外輸出に磨きをかける取り組みもみられた。とりわけ天然由来素材や廃材を活用したリサイクル品は、日本や欧米に輸出するうえで競合との差別化ポイントとなる。中国経済の成長が鈍化しているなかでも、コモディティ化や過当競争から距離を置いた技術・材料に対して投資の手を緩めず、積極的に海外市場を狙っていく。



     湖南松源生物科技(湖南省・長沙市)は湖南松源化工の子会社として2016年に設立。テレビン油をはじめとした植物由来の化学原料を供給する。合成香料・医薬原料、シクロオレフィン、過酸化物、エステルの4セグメントを持つ。

     同社は現在長沙市で第二新工場を建設しており、2025年末に竣工の見込み。生産能力は第一工場を上回る1万トン以上を計画する。香料・医薬品向けカンフル、精油に含まれるカンフェン、紫外線B波(UVB)の吸収効果を持つサリチル酸オクチルなどをメインに生産する。

     生産能力拡大の背景として輸出事業の強化を挙げる。同社は輸出事業が全売り上げの7割を占める。100%天然由来の製品群で、欧州や日本向けなど環境意識の高い先進国を主要ターゲットとする。EU-REACH、HALAL認証など国際標準にも対応し、販売先は30カ国以上。中でも日本向けは全体の20~30%を占め、重要セグメントに位置づける。

     肖一君副総経理は「日本はグリーン、環境保護への関心が非常に高く、成長の伸びしろが大きい。新工場の完成によって、日本向けをさらに拡大していきたい」と意気込む。

     アジアで最大規模の圧縮木材パレット生産能力を有する杭州沛諾集団(PENNO、浙江省・杭州市)。安徽省、江蘇省、新疆ウイグル自治区の3拠点合計の生産能力は年1000万枚に上る。

     さらに浙江省寧波市で新工場建設を進めると同時に、既存3拠点の生産能力拡充も計画する。今後3年間で生産能力を現状から倍の2000万枚まで引き上げる方針となっている。

     同社のパレットは木材端材などをリサイクルし、パレット化したもの。過重、耐久性などは一般的な木製パレットよりも優れる点に加え、価格面でもリサイクル端材を採用したことで、安価な点も強みとなっている。環境負荷軽減に貢献可能な点から、大手飲料メーカー、LG、万華化学などグローバルオーナーを中心に30カ国で販売している。

     杭州富陽鴻源再生資源利用(浙江省・杭州市)は12年に設立された。酸化銅、銅粉末、塩化銅などの研究開発・生産・販売をメインとし、さらにプリント配線板(PCB)で生じる銅含有廃棄エッチング液のリサイクルラインを有する。抽出した塩化銅などの売上高は10億元に達する。

     本社杭州工場では生産能力の倍増工事を行っており、来年8月に完成予定。中国全土でも銅リサイクル技術を持つプレーヤーが少ない点や環境性能を訴求点に据え、日本や欧州への販売実績を積み上げていく。(石田亮)
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