• 23年に稼働したPPプラント。ブロックコポリマーなどを生産している
      23年に稼働したPPプラント。ブロックコポリマーなどを生産している
     <中国・京博控股集団 化学品ポートフォリオ拡大/上>

     【上海=中村幸岳】中国山東省の化学大手・京博控股集団は、化学品ポートフォリオを拡大している。2023年、自動車部品などに使うポリプロピレン(PP)のプラントを稼働。PPなどを原料とする高機能不織布も事業化し、さらに昨年には中国企業として初めてPOE(ポリオレフィンエラストマー)の商業生産を始めた。PPは日本企業などと共同でPPのケミカルリサイクル(CR)にも乗り出す計画。

    ◎    ◎

     山東京博控股集団の子会社・京博聚烯烴新材料は23年初頭、PPの商業生産を始めた。年産能力は2ライン合計60万トン。内訳は、耐衝撃性が高く自動車バンパーなどに使われるブロックコポリマーが年20万トン、透明品が同30万トン、管材用ランダムコポリマーが同10万トン。

     透明PPでは中国最大、管材グレードも同3位の規模を誇る。中国大手企業やグローバルブランドを顧客に抱え、自動車部品や輸液バッグなどの医療品、食品包装、管材など幅広い用途に供給。生産ラインは2ラインともフル稼働入りしており、追加投資を検討中だ。

     同じく京博控股集団傘下の京博石化は、プロピレンでISCCプラス認証を取得ずみ。京博聚烯烴はこのプロピレンをPP原料に使い、カーボンニュートラル化要請に応えている。

     <来年にも独自プロセス開発完了>

     京博聚烯烴の総経理・臧雲涛氏は「他社と差別化した製品を生産しており、来年には生産効率とコストをより低減できる独自プロセスの開発を完了させる(現有プラントはライオンデルバセル技術)」と成長戦略を語る。

     <透明品を中心に輸出増めざす>

    • 京博聚烯烴の臧総経理
      京博聚烯烴の臧総経理
     昨年、PPの輸出も始めた。順調に伸びており「今年1、2月累計の輸出量は昨年実績を上回った」(臧総経理)。透明品を中心に、日本のほか東南アジア、インド、欧州、南米への輸出を増やしたい考え。

     中国のカーボンピークアウト目標年を30年に控え、同社は持続可能性を重視したプロジェクトに着手した。リサイクル大手の浙江科茂環境科技(寧波市)や日本の化粧品大手、米国の包装大手と協力して、PPのポストコンシューマーリサイクル(PCR)に乗り出す。

     京博聚烯烴は科茂環境科技と共同で、使用ずみPP容器のCR技術を開発。すでに熱分解油の品質を確認し、リサイクルPPの試作も完了した。行政手続きなどを経て、2年後をめどにCRプラントの商業運転を始める計画。

     グループ会社の京博石化がこの熱分解油を原料にプロピレンを生産。京博聚烯烴がプロピレンをPPに誘導して、日本の大手化粧品メーカーに供給していく。そしてこの化粧品大手がリサイクルPPを化粧品容器の素材に使う、という構想を描く。

     <山東京博控股集団>

     1991年設立、本社は濱州市。製油所の運営や潤滑油の製造販売を祖業に、石化事業へ進出。誘導品はPPのほかポリブテン、ブチルゴム、パラ系アラミド繊維、不織布などを手がける。本拠の山東省に加え海南省に工場を持つ。23年にはCCUSの運用も始めた。24年売上高は1030億元(約2兆円)。
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