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  • 中国、廃プラ輸入を試験的再開 日本や東南アから
  • 2024年3月15日
    • 日本からは使用ずみPETボトルが輸出された
      日本からは使用ずみPETボトルが輸出された
     【上海=中村幸岳】中国が試験的に廃プラスチック輸入を再開したもようだ。輸出元は日本や東南アジア諸国で、使用ずみPETボトルなどが対象とみられる。厳格な品質規格が設けられ、例えばパウダー(粉状品)が多い場合は輸出元に送還される。中国は2017年に廃プラ輸入を禁止した。今回は特定の港と業者にのみ認められた措置だが、政策的な輸入再開につながるか注目される。



     市場関係者によると、23年末から今年初頭にかけて、廃プラ輸入規制が限定的に緩和され、日本からは使用ずみPETボトルが輸出された。

     また別の関係者によると、輸入港は南通港(江蘇省)、輸入業者は中国資本企業にそれぞれ限定されている。クリアすべき品質規格については、物性に加えて「パウダーが少ないこと」が条件となる。輸入が認められず送還されたケースもある。

     3月現在、継続的に輸入されているか、また輸入を部分的に解禁した背景などは不明。

     中国政府は17年、工業・生活由来の廃プラ輸入を原則禁止した。これ以前、中国は世界最大の廃プラ輸入国で、欧州や米国、日本にとって主要な廃プラ輸出先だった。輸入量は年間800万トン以上ともいわれ、世界全体の5割を占めた。

     行き場を失った廃プラはマレーシアやタイ、ベトナムなど東南アジア諸国に流入。しかし廃プラの違法滞留などが顕在化したことでこうした国々も徐々に輸入制限に踏み切り、世界的に廃プラのリサイクル設備投資が増える要因となった。

     中国政府は再生ペレットや、フレーク加工された一部の廃プラについては、17年以降も輸入を継続している。今回は例外的に使用ずみPETボトルの輸入が一部業者に許可されたとみられる。

     中国政府は11日に閉幕した第14期全国人民代表大会(全人代)第2回会議で、経済政策の一つとしてリサイクルチェーン拡充を掲げた。マテリアルリサイクルを中心に再生工場も増えており、廃プラ輸入の限定的な再開はこうした政策の一環である可能性もある。
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