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  • 東大、機構不明の不純物濃度 ハイブリッドで予測
  • 2023年10月25日
    • フロー実験とハイブリッドモデルのイメージ(発表論文から抜粋)
      フロー実験とハイブリッドモデルのイメージ(発表論文から抜粋)
     東京大学は、医薬品合成などに広く用いられるグリニャール反応について、反応機構が未知の不純物の濃度を高精度で予測できる新しい数理モデルを構築したと発表した。化学反応の理論に基づく物理モデルと機械学習による予測モデルを組み合わせ、不純物の定量的評価を可能にした。試行錯誤の実験に頼らない効率的なプロセス開発につながる手法として応用が期待される。

     目的生成物については有力な反応機構が提唱されており、物理モデルの構築が可能な一方、不純物については生成する機構が十分に解明されておらず、予測が難しかった。本研究では、不純物濃度を出力するランダムフォレスト回帰モデルを構築し、実験結果を精度よく再現した。フロー法の実験系を対象に、物理モデルによる温度や各種試薬の濃度などの予測値に加え、実際の実験結果を学習データに用いた。

     同大大学院の杉山弘和教授、金俊佑特任研究員らと、シオノギファーマおよびグループ会社ファーミラとの共同研究の成果で、このほど国際的な論文誌に掲載された。
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