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  • タイ特集 PTTグローバルケミカル・ナロンサック・ジワカナンCEO 30年までに非汎用品3割
  • 2025年7月28日
    ★…PTTグローバルケミカルは戦略的な転換期にあります。この変革を成功させるための優先事項は何でしょう。

     「まず、すべての事業の競争力を強化し続けることに特別な注意を払う必要があり、過去数年間行ってきた取り組みをさらに進める。例えば、原材料選択の柔軟性だ。異なる石化原料の価格変動を考慮したうえで、上流部門の既存設備に対し、生産能力の増強でなく使用可能な原料の幅を広げ柔軟性を高めるため、過去5年間にわたり、一連の再投資を実施してきた。こうした戦略の微調整により、経済的に最も適切な原料を選択して最適化することが可能になった。第2に、生産・業務のプロセスを改善していくなかでコア部分の強みを継続的に活用し、運転パラメーター、安全性、信頼性、品質保証、サプライチェーンの統合、デジタル技術を活用した最適化に注力している。さらに、AI技術を活用して運営コストを最適化する。生産の上流から下流まで一貫して統合されているため、リアルタイムデータを活用し、複数の工場を同時に最適化することが可能だ」

     「当社の戦略は、歴史的にコアビジネスであったコモディティからの多角化を掲げている。過去数年間で最初のステップを実施しており、今後も継続していく。これまで製品の100%がコモディティだったが、2030年までに30%を非コモディティに多様化させることを目指している。現在は20%まできている」

    ★…特殊化学品へ事業転換する戦略のなかで、下流分野の拡大計画は。

     「下流分野では主に特殊化学品事業を展開する予定だ。具体的には、オルネクスやその他の子会社を通じて特殊化学品分野にも進出している。もう一つ計画段階にあるのは、インフラを含むコア資産であるマプタプットの工業資産。タイの工業資産の大部分はコモディティベースだが、機能的な特殊化学品の生産機能をさらに統合し、既存の生産インフラの価値を高める道を探っている。その目的は、コモディティ製品から完全に転換することではなく、長期的には転換が見込まれる市場構造に適応できるよう、よりバランスの取れたポートフォリオとすることにある」

     「オルネクスがタイに作る東南アジアハブは、その最初のステップ。これにより、コモディティサプライチェーンを再利用し、特殊用途の最終製品に供給する仕組みを構築する」

     「東レとの協業による中長期プロジェクトもある。当社のバイオ技術の専門性を生かす事業だ。東レは下流分野のナイロン、自動車、高級アパレル分野で豊富な経験と強固な地位を有する。当社のバイオ発酵技術を活用し、東レが生産するバイオベースの素材を石油由来原料とブレンドして既存市場に展開する」

    ★…競争の激化により利益率の向上が見込めない製品が存在します。事業の選択と集中を進めますか。

     「はい。われわれはすべての製品の競争力を、コスト構造や顧客ニーズを満たす適正さや仕様、コスト削減の可能性など、あらゆる面から厳密に監視していく。既存の製品にベンチマークを設け、もし市場環境が変化して元に戻らないと判断し、当社が市場環境や自社事業を変化させる立場にない場合、決断を下さなければならない」

    ★…オルネクスは最も成功した投資の一つです。今後、同様のパートナーシップや投資の機会はありますか。

     「われわれはあらゆる種類のパートナーシップに対しオープンだ。オルネクスは常にコア開発プログラムを実施し、新しい調合や新しい応用方法を開発している。また当社と複数の研究開発プログラムで協力しており、当社のタイの研究開発インフラを活用している。マプタプットイノベーションハブでは、当社とオルネクスの研究者が共同で研究開発を進めている。また、ネイチャーワークスやエメリーなど、他の子会社も参画させ、類似の化学を基盤とした多様な応用分野のエコシステムを構築している。これにより、コア分野の開発とイノベーションの加速が期待できる」
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