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  • R&D特集 三井化学、潮流捉え次世代テーマ推進
  • 2026年2月24日
     <柴田真吾 常務執行役員 研究本部長>

     2025年10月に研究開発(R&D)組織を刷新し、新体制が走り始めた。開発は事業本部に完全に紐づけ、事業の現場でスピード感を持って成果を出す部隊とし、研究は、次世代・次々世代を見据えたテーマを推進する役割と明確に位置づけた。

     研究本部は10年、20年先の三井化学が発展していく道筋を切り開くネタを埋め込んでいく。研究とはいえマーケティングの視点は欠かせず、世界の潮流、変化の予兆を捉え、ブレークスルーにつながる領域を先着して押さえることが最重要だと考えている。テーマの選定にあたっては、社会課題に加え、ターゲット市場の規模や潜在力も踏まえて判断する。

     組織としては2つの研究所を中心に動く。先端材料・ソリューション研究所は有機合成技術を基盤とし、新規の高機能ポリマー開発やライフ&ヘルスケア領域にもウェイトを置きながら新たな種の創出を目指す。もう1つは触媒・プロセス研究所で、先端材料・ソリューション研究所で出てくる開発品のスケールアップからプロセス設計を担い、事業化や実用化につなげるため、開発部や事業部との接点も多い。両研究所は新事業開発センター(NBIC)との連携も深める。

     オープンイノベーションも活発になっており、取り組みの一つとして、25年に川崎市産業振興財団ナノ医療イノベーションセンターと共創ラボの運営を始めた。未病・予防やドラッグデリバリーシステムなど新モダリティを追求している。

     千葉県袖ケ浦市の研究拠点に設けたデジタルサイエンスラボは極めて重要な機能を果たす。立ち上げから1年強だが材料探索などに活用するハイパフォーマンスコンピューター(HPC)はフル稼働状態だ。さらなる強化も検討する。

     さらに、研究のグローバル体制の構築も進める。日本にとどまっていては、世界の情勢の変化やポテンシャルのある市場を見極めることが難しい。北米や欧州、中国、東南アジア、インドといった新興市場など、地域ごとに攻めるべき領域を明確化し、ローカル人材が主導する研究体制へ移行する必要がある。26年度早々にグローバルで、新たなネットワーク型研究体制を形にし、開発パイプラインの拡充、新事業・製品の創出を加速していく。
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