<遠藤秀幸 常務執行役員 CTO 企画本部長>
新製品の創出が経営課題となっているなか、企画本部では昨年、最終製品のイメージを持ち、ターゲットを明確化するため組織再編した。グループごとに特定の事業化テーマに集中する体制だ。
たとえばSA事業化グループでは、リチウムイオン2次電池(LiB)の正極用スラリー添加剤の量産化を進めている。光配線材料開発グループでは、光電混載基板向けに透過性を有し光伝達ロスを低減したポリマーの開発を進めている。放熱材料グループは、2022年に出資した米新興アリエカ社の液体金属とポリマーを組み合わせた熱伝導材料をヒートシンク分野などのユーザーにサンプルワークを始めている。
エネルギー材料開発グループにはペロブスカイト太陽電池、水素、次世代電池の3チームを編成した。ペロブスカイトでは耐性向上が技術的課題とみて当社が貢献できる素材を探索中だ。水素ではPFASフリーのイオン伝導ポリマーを中心に水電解および燃料電池デバイスの触媒層用途に展開している。また、次世代電池はシリコン負極や固体電池をターゲットとしている。
核酸創薬では三和化学研究所と共同で歯状核赤核・淡蒼球ルイ体萎縮症治療薬候補化合物の開発を進めている。あわせて後続のパイプライン拡充に向けた施策を実行中だ。また、受託研究(CRO)のアクセリードDDPと当社の核酸技術を合わせた受託事業の検討も始めた。再生医療向け素材も実用化検討が進んでいる。新しい製品の種を企画する新領域事業企画グループも設置した。さまざまなスタートアップの技術を開発品として事業部に渡す活動のほか、当社の強みやサプライチェーンが使える、既存事業とはずらした領域のシーズを狙っていく。
事業部関連では、半導体材料は多くの研究資源を投入し、ウエハの薄化工程に使われる仮貼り剤など周辺材料の開発に力を入れている。一方、農業化学品では微生物農薬の開発が進展している。