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  • R&D特集 DIC、世界見据えリソース最適化
  • 2026年2月24日
     <有賀利郎 常務執行役員 グループCTO 技術統括本部長>

     当社は2026年1月、グローバルカンパニーとしての総合力と潜在力を最大限発揮するため、経営体制とともに研究開発体制を刷新した。これまでは事業に近い開発テーマを扱う組織と中長期テーマを扱う組織を技術部門として統括していたが、前者を事業本部下に移管した。これにより、長期経営計画の実現に向けて事業と技術の連携を深め、開発成果をグローバルに最大化できる組織とした。

     世界に視点を向けた技術開発では、25年にR&D統括本部内に設立した「グローバルイノベーションセンター」も重要。世界市場を見据えた技術開発を行い、海外を含むグループ全体でリソースを最適に活用できる体制を整える。

     当社は「Direct to Society」の取り組みのもと、素材メーカーの強みを生かしつつ社会に直結する価値提供を目指している。具体例が全方向ドローン「HAGAMOSphere」やロボットフィンガー「MoR」などの新規分野だ。これらはあくまでも一例で、全社にこの考え方を浸透させていきたい。

     電子材料分野ではビニル樹脂「EPICLON NEーVーRD004」が、期待の製品だ。低誘電・低粘度などの性能で人工知能(AI)や次世代通信技術の発展を支える。25年発表の吸熱パッド「GELRAMIC」は、リチウムイオン電池の発火延焼リスクを抑え、安全性向上という社会課題の解決を目指す。まずは回収ボックスから採用を狙い、車載電池などへの展開を期待している。

     ライフサイエンス分野では、藍藻類「スイゼンジノリ」由来の機能性材料を量産フェーズに乗せることが重要だ。化粧品素材などとして期待が集まり、迅速にマーケティングと技術改善を進める。

     パッケージ関連では、四日市工場のポリスチレン(PS)リサイクルプラントが重点テーマの一つだ。24年の稼働開始以降量産技術に磨きをかけており、環境対応だけでなくしっかりと稼げる体制だ。

     AIの活用およびデータの蓄積を研究開発の現場で進めているが、今後は量子コンピュータも技術開発やビジネスに幅広く活用していく。さらに、研究開発の効率化や技術伝承などの面でも活用を検討している。AIはあらゆる領域でもっとも重視している技術戦略の一つだ。
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