恒川幸弘社長
デンカがタイ化学大手SCGケミカルズ(SCGC)と立ち上げたアセチレンブラックの合弁企業「デンカSCGCアドバンスト・マテリアルズ(DSAM、恒川幸弘社長)」では、来年の建設完工に向けて、生産拠点の建設が着々と進められている。デンカグループでは最大規模の生産拠点となる予定で、電動車(xEV)のリチウムイオン電池や高圧送電線ケーブルといった成長分野で拡大する需要の取り込みを図る。
東部ラヨン県マプタプットに工場を開設する計画。同グループでは大牟田(福岡県)、シンガポール、千葉に続く4カ所目の生産拠点となり、同工場の生産能力は、年間約1万トンを予定している。
アセチレンブラックの世界市場は年間10~20%程度の成長率で拡大しており、将来の需要に対応していくため、原料の安定調達が可能なタイでの拠点建設を決めた。
足元、電気自動車(EV)の成長が鈍化しているが、中期的なxEVの市場拡大トレンドは変わりなく、新たにDSAMを活用し、成長需要をキャッチアップしていく。
一方、需要面で好調が続くのが高圧送電線ケーブル向けだ。不純物が非常に少なく、高純度であるアセチレンブラックは、電線ケーブルの半導電層に最適な材料であり、長年の実績と品質において長期信頼性を有しているデンカ・アセチレンブラックの特長を最大限に生かす。電力インフラの充実は、世界各地においても必要不可欠である中、送電網の大規模な整備が進められており、製造業が拡大するアジア各国では政策課題にも挙げられている。デンカは関連する主要メーカーとの連携も継続的に行っている。
また、域内に強いネットワークを有するSCGCのビジネスチャンネルも活用する。同社との連携を強め、域内外を問わずxEVやケーブル分野における事業拡大に繋げていきたい考え。