松本博之社長
半導体パッケージ基板材料を量産するMGCエレクトロテクノ・タイランド(MGC-ETT)は、半導体材料に注力する三菱ガス化学グループの戦略拠点だ。スマートフォンやパソコン、データセンター向けに加え、自動車用途の開拓に向けた取り組みも進行しつつある。生産能力を倍増するプロジェクトも最終段階に入り、2025年10月からの寄与を見込む。現地スタッフ主体の運営体制が整いつつあり、着々と現地化が進んでいる。
今年で設立12年を迎えたMGC-ETT。三菱ガス化学グループのMGCエレクトロテクノの子会社で、ガラス布に絶縁樹脂を含浸したプリプレグと、プリプレグに銅箔をラミネートした銅張積層板(CCL)を製造する。日本の新白河工場と並ぶ半導体パッケージ基板材料の中核拠点だ。
足元の事業は堅調で、現在はCCLを含めた全体能力の増強を進めている。7月から新規増設設備の試運転を開始しており、今後顧客による設備認定を経て10月に本格出荷を開始する。
スマートフォン、パソコンなどのコンシューマー用途に加え、データセンター関連の需要も伸びており、性能向上と安定供給を追求することでさらなる拡販を図る。現状では生産量の全量がタイ国外の顧客向けに輸出されているが、中国や台湾などのプリント基板メーカーによるタイ進出の動きもあり、将来的にはタイ国内への販売も見据える。
自動車産業における市場開拓に向けた品質マネジメントシステムの強化も進めており、26年をめどに最初の認証取得を狙う。自動車の電子化の流れをとらえることでさらなる成長につなげる考えだ。
現地スタッフの育成に向けた取り組みも実を結びつつある。日本での研修などにより高度な技術を身に着けたスタッフが着実に増加。「業務の多くを任せられるレベル」(松本博之社長)にまで育ってきており、現地スタッフが主体となった体制づくりが進んでいる。