松谷啓一社長
MORESCOタイランド(松谷啓一社長)は今年、設立から30周年を迎えた。MORESCOグループの海外拠点としては最古参であり、東南・南アジアをカバーするエリア戦略の中心的な機能を担っている。
タイ拠点で製造するのは、タイ国内シェアトップのダイカスト用離型剤のほか、プランジャー潤滑剤、熱間鍛造潤滑剤、切削油剤、油圧作動油。供給先は基幹産業の自動車・二輪車をはじめ、ハードディスク、家電、農業機械、ガラスと幅広い。
東南・南アジアでは、シェア拡大だけでなく新たな顧客・市場を開拓することで収益基盤を強化する。その戦略の一つが既存製品の高付加価値化だ。MORESCOは環境負荷低減製品を「MORESCO Green SX(MGS)」と認定し、2030年度には全社でその売上比率を50%に引き上げる計画。タイではダイカスト用離型剤「MQシリーズ」や、リサイクル原料の比率を上げた切削油剤などの取り扱いを強化する。
他地域で展開している有力製品も東南・南アジアに導入していく。金属加工油の添加剤やエンジンオイルの洗浄分散剤として日本で製造販売しているスルホネートをタイで上市する。また、樹脂離型剤の展開を進める。
欧州を中心に切り替えが始まっているPFAS(有機フッ素化合物)フリー製品の需要拡大にも備える。足元、域内での切り替えは本格化していないが、日・欧米系需要家の今後の動きを注視していく。
継続的に既存製品のシェア拡大にも取り組む。なかでも金属加工油は、潜在的な顧客の裾野が広く、拡販の余地が大きい。環境対応製品を含めて市場浸透を図る。
MORESCOグループではサステナビリティ活動の一環として、日本が主導し温室効果ガスの排出削減に取り組んでいる。タイでも排出量の現状把握に着手し、具体策の検討を進める。