宮下響社長
三菱商事のマテリアルソリューショングループ傘下のIVICTタイランド(宮下響社長)は、製造業に欠かせない化学品や粗原料のトレーディングを担っている。大きく変化する事業環境に適応するため事業構造の転換に着手しており、「素材分野における多様な価値創造メカニズムを追求する」(宮下社長)方針だ。
三菱商事に昨年、化学品と総合素材のビジネスを管轄するマテリアルソリューショングループが発足したことで、同グループに所属するIVICTタイランドの取り扱い商材も多様化した。同社では基礎化学品や合成樹脂などに加え、クロールアルカリ製品の原料となる工業塩、メタノールといった商材の取引拡大に取り組んでいる。
その一環として、今年4月に新ビジネスの開発担当部署を設置。各種素材の経験者を集め、顧客開拓などに当たっている。
国内外のグループ拠点が全社的に注力領域とする半導体・AI(人工知能)バリューチェーンにおけるビジネス育成も重要テーマだ。
タイでは、油ガス田掘削のシミュレーションや化学メーカーの素材探索、流通小売り業界、ビッグデータを使用した予測などの分野にユーザーが多く存在すると見ている。三菱商事が昨年に資本業務提携を結んだプリファードネットワークスとの協業も通じ、AIユースケースの開拓、ビジネス開発を行う。
近年関心が高まる低炭素化製品のビジネスにも継続的に力を注ぐ。自動車の軽量化ニーズに対応した素材のスペックイン活動が進展している。三菱商事が出資する飲料ボトル用PET樹脂製造のタイ・シンコン・インダストリー・コーポレーション(タイ新光)では、バージン材だけでなくセミケミカルリサイクル技術による再生材も生産でき、食品接触用にタイ食品医薬品局の認証取得作業を進めている。