林慶一郎社長
三洋貿易・アジア(林慶一郎社長)は、主力である自動車向けビジネスの維持を図りながら、タイ市場の新たなニーズにマッチする有力商材の提案に注力する。タイ政府が振興する電気自動車(EV)分野のメンテナンス機器類や、海外のスタートアップ企業が開発した機能製品なども提案しており、幅広い分野で顧客開拓を試みている。
タイでは自動車産業が低迷しており、国際的な貿易摩擦もあって顧客がグローバルに生産の最適化を検討するケースが増えている。ゴム関連を主力商材とし、自動車の主要な生産エリアに拠点を有する三洋貿易では、拠点間で連携しながらこうした動きに対応している。
市場ニーズをいち早く収益化する新ビジネスの試みを増やしている。今年1月に日本で車載バッテリー診断機の販売を開始した。小型の計測器をEVの急速充電口に差し込むことで、バッテリーの劣化度合いを30秒程度で診断できる。今後はEV保有台数の増加が見込まれるタイやASEAN地域での普及を目指す。
天然素材を生かしたゴム関連製品の展開にも継続的に注力している。持続可能なレザー代替原料として、エポキシ化天然ゴムを提案。インフラ・構造物の部材や防振材、車両関連向けの需要も開拓していく。また、フッ素ゴムについては、中国の四川道弘新材料(ダウホン)が手掛ける製品の取り扱いを強化している。世界的な有機フッ素化合物(PFAS)規制強化に対応する製品の研究開発も進めており、客先ニーズに合わせた提案を進めていく考えだ。
省エネや環境負荷低減といった国際的に共通のニーズへ向けたビジネス作りも行う。日本本社が海外から発掘した新素材フィルムをタイ市場に展開する。熱対策ソリューションとして省エネや故障防止に効果がある。このほか、事業化を狙う昆虫タンパク質については、機能性飼料としての流通を目指している。