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  • シンガポール特集 ザ・ポリオレフィン・カンパニー、得意の開発力で逆境克服
  • 2025年11月17日
    • 永松龍弘 社長
      永松龍弘 社長
     住友化学グループのザ・ポリオレフィン・カンパニー(TPC、永松龍弘社長)は高付加価値製品への注力、販売地域の最適化、サステナビリティ製品の拡充-に三位一体で取り組む事業戦略を進めている。低密度ポリエチレン(LDPE)のロングセラー品がエチレン酢酸ビニル樹脂共重合体(EVA)や高濃度EVA(HEVA)の需要減を補って、安定した収益基盤になっている。さらに、ポリプロピレン(PP)特殊品の開発を販売戦略と組み合わせることで、拡販にも成功した。

     昨年度は創業以来の苦しい事業環境であったが、持ち前の研究開発力を生かし、収益改善へとつなげた。住友化学本体から迎えた技術マーケティング専任者とともに、販売域内のニーズを細かく拾いながら開発方針と販売地域を決める戦略が奏功した。

     PPではエチレンとブテンを加え共重合させたPPターポリマーの販売が好調。包材フィルムの原料樹脂に用いられ、低温シール用や高速シール用のほか、アルミ蒸着との相性の良さなどが強み。新たに広幅高速加工用グレードを戦略製品の一つとして開発した。とくに、インドや中東は最新製膜機への更新が盛んで、ホモPPフィルムに重ねるスキンレイヤーとして採用が進んでいる。

     新規開発品だけでなく長くTPCを支える製品もある。チューブラー法による押出ラミネーションLDPEは高品質な製品の安定的な生産と販売を通じて、東南アジア域内で実質的なデファクトスタンダードになっている。「お客さまからの評価も高く、プレミアムの価値を認めていただいている」(永松社長)。

     段階的に引き上がっていく炭素税に対しては先手を打った。PPの重合系列からパージするオレフィンを削減することにより、フレアスタックによる燃焼を回避でき、二酸化炭素(CO2)排出量を課税対象量未満に抑え込んでいる。
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