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  • シンガポール特集 トウアゴウセイ・シンガポール、水処理用途が周辺国で拡大
  • 2025年11月17日
    • 岡野健一郎 社長
      岡野健一郎 社長
     トウアゴウセイ・シンガポール(TSG、岡野健一郎社長)は、アクリル酸エステルと水溶性ポリマーの製造・販売を通じて、東南・南アジア市場での事業拡大を図っている。水処理やインフラ関連などの成長分野で需要を伸ばすなか、現地主導の経営体制への移行も加速。事業と組織の両面から、次の成長に向けた基盤づくりを進めている。

     TSGの工場はシンガポール・ジュロン島のサクラ地区に位置する。日本触媒との合弁会社からアクリル酸の供給を受けることで、原料供給と生産の安定性を確保している。

     主力製品は、アクリル酸メチル(MA)、アクリル酸エチル(EA)、水溶性ポリマーの3品目。MAは医農薬やアクリル繊維の原料として使われており、主にインドや東南アジア向けに販売。EAは塗料やアクリルゴムに用いられ、日本やその海外進出先への供給が中心となっている。

     水溶性ポリマーは、従来の製紙用途に加え、近年は水処理分野での需要が着実に拡大。インフラ整備が進む東南アジアでのニーズが高く、将来的には中東やアフリカ市場への参入も視野に入れる。

     こうした製品供給を支える基盤となっているのが、シンガポールの物流ハブとしての優位性だ。関税メリットや整備されたインフラを生かし、各国へ製品をタイムリーに供給している。また、グループの技術力を生かす体制も整っており、R&D機能を持つトウアゴウセイ・タイランドや日本本社との連携を通じて、製品グレードの調整や提案にも柔軟に対応している。

     環境対応では、設備更新時にエネルギー効率性や環境負荷低減を意識した投資を進めており、省エネ化を目的としたモーター更新やセンサー活用によるエネルギー管理などに取り組んでいる。

     このほか、創業当初から現地人材の育成にも力を入れている。昨年にはローカル社員が取締役に就任し、運営の現地主導化がさらに進展。岡野社長は「現地スタッフが自ら考え動く、自律型組織への移行を着実に進めていきたい」と語る。
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