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  • 化学品商社特集 鈴木商館、水素関連の取り組みを加速
  • 2025年11月25日
  •  鈴木商館は、産業ガスと化学品を主軸に展開を強化している。2025年度上期は増収増益を達成。「柱の一つである半導体関連の設備投資向け需要が続いており、他の事業も収益性が改善してきた」(鈴木慶彦社長)。産業ガス部門をはじめとして、運賃や設備、容器などのコスト上昇にともなう価格改定の受容度が高まっていることも影響した。今後も技術や保安面の重要性をアピールし、収益に反映されるよう働きかけていく。水素社会実現に向けた取り組みにも引き続き注力する。

     産業ガス部門は製造業全般が堅調に推移した。ガス製造では、石化業界の再編などで水素をはじめとする副生ガスの外販縮小が目前に迫ってきた。海外からの調達はコスト面で難しく、調達先の多様化が課題となっている。化学品部門は、半導体設備関連は顧客によって濃淡があり、自動車関連商材は伸び悩んだ。

     低温機器部門は、クライオポンプのメンテナンスは競合が少なく技術面の評価も高いことから堅調に推移。ヘリウム冷凍機のコンプレッサーは既存製品の部品不足で修理が難しく、同社は新規製品の製造を急いでいる。

     空調部門では、今夏の猛暑が追い風となった。冷媒ガスの規制強化を背景にメーカー側の状況を見極めながらシェア獲得を狙う。産業機材部門はガスや溶接材料、機械のセット提案などを進めており、営業力をさらに強化していく。海外事業はマレーシア、タイの拠点を中心に展開し、人材確保の状況次第で他国への進出も検討する。

     鈴木商館は、水素インフラの実証試験や研究開発を積極的に推し進めている。昨年、大型液化水素貯槽の実現に向けた検討の一環として、鈴木商館が製造した装置を使用し水素液化温度での大型広幅引張試験に世界で初めて成功した。技術本部傘下の高圧機器部では、燃料電池フォークリフト(FCFL)向けの水素充填設備・機器を開発。FCFL数台程度の運用を想定した設備で、自由移動が可能。実証は順調に進んでおり、実用化へ取り組みを加速していく。
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