ラボ機能の強化で独自品の開発へつなげる(写真はこのほど本格的に稼働したGSIクレオスの「ケミカルイノベーションセンター」〈フランス〉)
化学品商社が、単なる口銭ビジネスからの脱却に向け、付加価値の提供に向けた取り組みを加速している。インターネットで製品が手軽に購入できる現在、商社各社は従来の右から左にモノを動かすビジネスでは淘汰されると判断。化学品商社の枠にとらわれない事業の創出や研究開発機能の強化による独自商材の開発などに注力中だ。デジタルトランスフォーメーション(DX)化による情報の有効活用や人材の育成などを通じ、企業の持続的な成長とともに、化学業界の発展に貢献していく。
化学品専門商社では現在、顧客の困りごとや潜在的な需要に対応した事業展開を強化している。例えば、日系化学メーカーの再編により在庫のショート問題が浮上するなか、代替品として海外からの仕入れルートを確保。商材の拡充により、安定的な供給体制を構築している。
ゴードーが今年1月に子会社した服部ケミカルの春日井工場
また、ニーズの高い環境対応関連についても、各社はリサイクル商材を充実。プラスチックやタイヤの廃材を再利用した原材料の拡充に加え、リサイクルの仕組みづくりにまで参入し、新たなビジネスを推進している。
商材の付加価値向上に向けた取り組みとしては、独自のラボを開設・運用する取り組みにも注目が集まる。分析・解析などの研究開発機能をフル活用することで、独自商材の開発へとつなげていく。
DX化は、化学品商社大手や化学メーカー系商社で導入が進む。得られた情報を各部署や海外拠点などと共有し、フル活用することで、潜在的なニーズの掘り起こしを狙う。
服部ケミカルの春日井工場で改装した品質管理室
一方、中堅商社でも本格的なDX化の動きが顕在化している。例えば、人工知能(AI)のトライアル運用を開始し、本採用に向けた検討を進める企業が相次いでいる。また、紙の伝票を廃止し、ペーパーレス化の対応を進めるほか、交流サイト(SNS)の活用で新規顧客の獲得を狙う動きも活況を呈している。