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  • 化学品商社特集 鍋林、新体制移行で現場力底上げ
  • 2025年11月25日
  •  鍋林の化成品事業部は、営業体制の見直しにより即応力を高め、安定供給体制の強化を進めている。これまで地方ごとに設けていたブロック制を廃止し、全国15営業所を本部直結とする新体制へ移行した。ワンクッションをなくすことで、意思決定や顧客対応のスピードを高めた。物流効率化や在庫集約の一定の成果を踏まえたうえでの戦略的転換であり、現場力の底上げを狙う。

     2025年度上期は、売上高がわずかに目標未達となったものの、利益面では計画を達成。前年同期比では増収増益を確保した。市況面では、米中貿易摩擦を背景とするトランプ関税の影響により、電気・電子分野の立ち上がりが鈍化したという。

     主力の電気電子分野は、売り上げ全体の約4割を占める。とくにパワー半導体向けICやモジュール用途に力を注いでおり、足踏み状態からの巻き返しに取り組む。人工知能(AI)関連の直接需要は限定的ながら、顧客動向を注視しており、「AI需要をどう取り込むかが次の焦点」(同)。

     基礎化学品は、行政関連を含め安定した需要が続き、堅調に推移。合成樹脂分野では、家電や化粧品向けの不振を脱し、中小企業の事業集約にともなう顧客移管や新規案件の獲得により、右肩上がりの成長をみせる。表面処理関連では、車の外装カラーの流行変化によりメッキ需要が減少する一方、内装向けは堅調を維持している。

     物流面では、松代配送センターで危険物・一般倉庫を拡張し、温度管理設備を導入。供給体制の強化を進めた。下期以降にはあづみ野配送センターでも低温・保冷対応の危険物倉庫の新設を計画しており、同社のヘルスフーヅ事業部と協働で検討を開始する。

     化成品事業部では、新たな6カ年計画「エコービジョン2029」が始動し1年目が経過した。最終年度には売上高340億円を目標とし、電気・電子材料の深耕に加え、基礎化学品では排水処理・凝集剤などの高機能薬剤を官公庁や自治体向けに積極提案する。環境対応商材の拡充も掲げる。
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