世界最大規模のヒューストンのパック・スタジオは顧客の試作の場として機能している
ダウは最大の事業部門であるパッケージ&スペシャリティプラスチック事業においてサステナブルな包装材を成長領域に位置づけ、多くのリソースを投入している。ポリエチレンの技術力をベースに、トータルソリューションの観点でユーザーニーズの実現に貢献。新規包材の開発の場として重要な役割を担う試作開発拠点も展開するなど、包材業界の環境対応を強力に後押ししている。
包材分野のダウの強みは多岐にわたる。素材では低密度から直鎖、高密度まで各種ポリエチレン製品を持ち、極性分子の制御を含む高度なポリマー技術、添加剤や他素材との処方設計技術にも多くの知見がある。また、最新技術を搭載した製造装置の活用にも積極的だ。
イザベル・アシス バイスプレジデント
サステナビリティーの面では、ポストコンシューマー樹脂(PCR)などリサイクル材の活用をはじめ、廃油や非可食バイオマスの使用によるカーボンフットプリント(CFP)削減など、あらゆるユーザーニーズに対応。ダウ・ケミカルの北米営業・マーケティング担当バイスプレジデントのイザベル・アシス氏は「北米のブランドオーナーは常に差別化のためのサステナブルなイノベーションを包材に求めている。ただ、ダウとしては環境対応の要素を取り入れたとしても、耐久性など包材の性能は絶対に落とさない」と強調する。
包材事業でダウを特別な存在としているものの一つが「パック・スタジオ」だ。世界各地に展開する試作開発拠点で、とくに米ヒューストンの拠点は最大規模。製造設備はラボスケールから最大9層のフィルムも製造できる量産設備までが揃っている。さらに総勢100人近いダウの研究者がユーザーを適宜サポート。「自社の忙しいラインを新製品開発に使えないコンバーターも、ここに来ればスピーディーに商業化できる」(アシス氏)。今年はすでにブランドオーナーなど60近い顧客が訪問したという。
ダウは北米において包材のサステナブルな潮流は不可逆だとみている。「イノベーションとサステナビリティーはダウのDNAであり事業戦略の一部。バリューチェ―ンと一体となり、持続可能な未来を創造していく」(アシス氏)方針だ。