金井田健太 社長
今年度に新中期経営計画を始動させた日本触媒。重点方針の一つであるソリューションズ事業の拡大に向け、米国法人のニッポンショクバイ・アメリカ・インダストリーズ(NAII、金井田健太社長)でも新製品提案や技術ラボの新設などの動きが本格化している。一方、コア事業の高吸水性樹脂(SAP)も、北米での需要を堅実に捉え、事業全体として好調な滑り出しをみせている。
NAIIは、テキサス州ヒューストンとテネシー州チャタヌーガに拠点を構える。ヒューストンではSAPを製造、チャタヌーガでは建築用や洗剤用の水溶性ポリマー、コーティング用エマルションなどの高機能樹脂を製造する。
とくに近年はコンストラクション分野を重点領域に設定。省力化やカーボンニュートラル対応といった新たなニーズを取り込むことで、さらなるシェア拡大を狙う。省力化技術では、例えば3Dプリンティング用コンクリートの積層性を高める材料の開発を進めている。
今年7月には、チャタヌーガに新技術ラボを開設。現地での製品評価やデータ取得が可能となり、顧客ニーズへの迅速な対応とスピーディーな開発体制を整えた。また、4月に子会社化したイーテックとの連携も今後本格化させ、粘着剤や建築用エマルション樹脂の展開を見込む。
SAP事業も「安全・安定・高品質・高効率」をキーワードに、原料アクリル酸(AA)の供給元である合弁会社も含めた一体運用を継続し、顧客に信頼される生産体制を確立している。
環境対応にも力を入れており、両拠点で使用する電力は、すべて再生可能エネルギーに移行ずみ。AAとSAPの製造では今春にISCC PLUS認証も取得するなど、環境配慮型の生産体制を強化している。
こうした事業基盤を支えるのが人材力だ。NAIIでは、成長意欲のある従業員に教育プログラムや階層別研修を実施。従業員サーベイの結果でも、モチベーションの高さが表れており、自律的な人材が育ってきている。