ウィリアム・スミス 社長
ニッサン・ケミカル・アメリカ(NCA)の無機コロイド製品が、オイル・ガスと3Dプリンター(3DP)分野で好調だ。採掘量が拡大している米国内のシェール採掘向けには採掘効率を向上する製品の需要が増加。3DPでは歯科領域の造形材料用途が伸びている。
コロイド製品はテキサス州パサデナの工場で製造している。シェール関連では、米国各地の油田で圧倒的な競争力を持つのが採掘効率向上剤「nanoActiv」。ナノ粒子の分散体で、シェール層の破砕に使われるフラクチャリング流体に添加する。NCAのウィリアム・スミス社長は「採掘効率を20~30%向上できる。埋蔵量が少ないエリアでも豊富なエリアのように採掘量を増やすことが可能だ」と話す。
nanoActivは頁岩の濡れ性を改変する界面活性剤と併用することも可能。また、原油生産時に発生する有害な硫化水素を捕捉するMEAトリアジンに添加し、捕捉効率を高める提案も強化する。スケールや腐食対策製品の開発も進める方針だ。販売網強化の面では、今年8月に米代理店と新たに独占販売契約を締結した。
3DP向けでは被せ物や詰め物、口腔モデルなど歯科領域の造形用途で、モノマーとナノ粒子を混合した分散体が拡大。3DP造形は従来の金型製造に比べて短納期のメリットが米市場で評価され伸びている。NCAの製品はナノ粒子を50%配合しても良好な分散安定性を発揮し、高硬度の造形が可能。「米食品医薬品局(FDA)の定める基準にも適合できる」(スミス社長)。精密造形や弾性の付与も可能なため、今後は他の領域にも展開していく考え。また、市場成長が著しい欧州向けにも輸出しており、F1カーの試作品向けで実績がある。
このほか、眼鏡や自動車、ディスプレイ向けなどのハードコート用途も好調に推移している。今後も無機粒子の制御技術を生かして差別化し、北米事業を成長させる。