藤本智之 社長
三洋貿易の米国現地法人サンヨー・コーポレーション・オブ・アメリカは、化学品、ゴム、プラスチック、自動車関連の4事業部体制で輸出入・販売を展開する。本社をニューヨークに置き、デトロイト(ミシガン州)、ハンツビル(アラバマ州)に加え、昨期からはアリゾナ州でも営業拠点を新設。2025年9月期はトランプ関税による混乱のなかでも、全分野が堅調に推移し、営業利益は過去最高を達成した。関税政策により市場は右往左往したが、「結果的に影響は軽微だった」(藤本智之社長)という。
売り上げの6~7割を占める化学品事業は高吸水性樹脂(SAP)が主力。最終用途が子供用おむつや生理用品など生活消耗品のため関税の影響は受けにくく、安定事業となっている。新規開拓も進展した。
ゴム事業では、球状アルミナを中心とした放熱フィラーがモビリティ・電機の両領域で顕著な伸びを示した。品質の安定性が評価され、電気自動車(EV)向け需要の一部にトーンダウンはあるものの、依然として牽引役となっている。
プラスチック事業は米国ローカルのコンバーター向けが中心で、コロナ明け以降の顧客取り込みが右肩上がり。グループのネットワークを活用した高機能フィルムや包装材などが堅調に推移した。関税の影響で一部顧客を失った側面はあるが、値上げ交渉や供給安定による信頼感確保が奏功し、総じて業績は好調を維持。環境配慮型素材はトランプ政権下でスローダウンの兆しがあるものの、欧州・中南米からの引き合いは増えるなど、中長期的な芽を着実に育てる。
自動車関連事業は日系カーメーカーの北米生産が堅調に推移していることから、内装シート部材の需要も強かった。
アリゾナ州にも新営業拠点を開設。半導体工場集積地域への接点強化も図る。冷却効果を持つ特殊フィルムなど新商材の拡販拠点としても活用する構えだ。さらに農業関連アイテムにも注力を進め、事業投資、M&A(合併・買収)の調査も本格化させている。