寺西是志 EVP
扶桑化学工業100%子会社のPMPファーメンテーションプロダクツ(イリノイ州ピオリア)は、北米唯一のグルコン酸ナトリウム(GNA)などグルコン酸類の製造者として、安定供給の維持を最優先課題に据える。需要の拡大が続く一方で、欧州品を中心とした競合品の流入は継続している。インフレやユーティリティコストの上昇圧力は続くものの、同社は生産性の向上を追求するとともに、適時の設備投資による供給力の確保を通じ、顧客からの信頼維持に取り組む。
扶桑化学工業は2003年、藤沢薬品工業(現アステラス製薬)から化成品事業を譲り受ける過程でPMPを取得した。同社は18年の米政府による中国品へのアンチダンピング関税導入を背景に、北米市場で約7~8割のシェアを持つサプライヤーとなった。
GNAはコンクリート混和剤、肥料、食品など多用途に用いられる。米国では今後も年率4%前後の伸びが見込まれるため、供給体制を整えるとともに、シェアの維持・拡大を目指す。近年は発酵由来のグリーンな素材としての評価の浸透が追い風になっており、グルコン酸類が持つ特性を訴求することで成長を確保する方針。
24年には主発酵槽を増設し、発酵能力を倍増させた。「需要の伸びに応じた能力を備え、供給責任を果たしていく」(寺西是志EVP)とし、次期投資に向けた精査を進める。
生産性は発酵に使う菌株の活性に大きく左右される。かねてから取り組む研究開発においては、発酵槽の長期安定運転に向け、使用菌株の評価や条件探索といったプロセス改善を進める。生産性を高めることで供給力を補強し、唯一の国内製造者としての競争力を維持する。