• 大型特集
  • 経営戦略特集2部 日本化学工業、新たな価値の創造に重点
  • 2025年4月21日
  •  日本化学工業が2024~26年度の中期経営計画の重点施策の一つに掲げる「新たな価値の創造」に向けて、全社的な取り組みを強化している。環境課題の解決や環境改善に貢献する「環境貢献製品」の販売が着実に伸びており、その中の積層セラミックコンデンサー(MLCC)材料は設備能力を増強中で今後の成長に期待。イノベーションの促進などにつなげる人的資本経営も推進する。

     環境貢献製品は22年度に設けた制度で現在、MLCC向け誘電体材料「パルセラム」、同原料の高純度炭酸バリウム、無線自動識別(RFID)タグ向け異方導電性接着剤「SMERF」、船底塗料用防汚剤の亜酸化銅、さび止め塗料用防錆剤「エキスパート」の5製品が認定を受けている。

     MLCC材料は自動車向けの需要増やスマートフォン向けの需要回復を受け販売増を、SMERFや亜酸化銅も堅調な伸びを見込む。徳山工場(山口県周南市)では25年度上期中にMLCC材料向け誘電体の設備投資が完了、生産能力は18年度比で1・8倍に高まる。

     研究開発本部では24年度から環境貢献指標を研究テーマの選定基準の一つに設定。二酸化炭素(CO2)固体吸収材や光焼結用亜酸化銅ペースト「キュアライト」などの開発を強化する。環境貢献製品の販売増や追加認定を織り込み、24年度の重要業績指標(KPI)で掲げる同製品の売上高比率は12%以上と従来比2ポイント引き上げた。

     長期的な企業価値向上に繋がる新たな機会の創出やイノベーションの促進のため、人的資本経営にも力を注ぐ。「コミュニケーション」「エンゲージメント向上」など6つの着眼点で人材を育成する。その一つの手段である、コーチングを通じて社員の自発的行動を促す。組織全体の強化につなげる「未来への種まきプロジェクト」を21年度から実施し、ここまで5年間で延べ150人以上が参加。キャリア採用や多様な働き方・ワークライフバランスを重視した職場環境の整備も進める。
いいね
電子版無料トライアル

  • ランキング(特集)