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  • 経営戦略特集2部 戸田工業、磁石・誘電体材料で成長へ
  • 2025年4月21日
  •  戸田工業は、前期に始動した3カ年の中期経営計画「Vision2026」の達成に向け、事業ポートフォリオマネジメントの強化を加速する。成長性と収益性を考慮し磁石材料や誘電体材料などを成長領域とする。また、軟磁性材料は100%子会社化した戸田マテリアルズを軸に次世代事業領域に位置づけ将来のさらなる成長を目指す。一方、ピークアウトしたLiB用正極材向け前駆体、着色顔料、トナー用の材料は、事業の再生・転換領域と位置づけた。久保恒晃社長は「前期は、前駆体を生産する子会社の解散など厳しい決断をしたが、今期は成長領域や次世代に向けた開発に経営資源を集中していく」と話す。

     磁石材料では、2021年に連結子会社化した射出成形磁石メーカーを軸とした川下領域の強化と希土類(レアアース)系ボンド磁石材料を展開していく考え。モーターやセンサー部材など車載分野での需要伸長を見込み日系カーメーカーに加え中国ローカルメーカーでの採用拡大に向けた現地開発機能を強化する。

     誘電体材料であるチタン酸バリウムは、積層セラミックコンデンサー(MLCC)の需要回復を背景に受注が増加している。小野田事業所(山口県山陽小野田市)では増強した生産設備がフル稼働となっている。高付加価値品として製品化を進めている分散体については、MLCCの特性を向上させるとともに顧客が求める優れたハンドリング性も訴求する。大竹事業所(広島県大竹市)には分散体の専用設備を導入ずみで今期、本稼働させていく。

     再生・転換領域に位置づけた着色顔料、トナー用材料は、蓄積した知見・技術を軸に環境負荷低減に貢献する材料にシフトしていく戦略だ。開発を進める室温で二酸化炭素(CO2)を分離回収する材料は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)に実証設備を出展する。メタンガスを原料とするCO2フリー水素・CNTの製造技術は、北海道豊富町で実証試験を実施中。今後も環境関連の材料開発に力を入れ「環境に貢献する会社」を目指していく。
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