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  • 経営戦略特集2部 荒川化学工業、攻めの挑戦で成長へ布石
  • 2025年4月21日
  •  荒川化学工業は、2025年度の指標として「『変わる』を常に 攻めの挑戦 みんなの未来へ V-ACTION」を掲げる。24年度は国内外の複数の関係会社が過去最高益を達成するなど、黒字転換が確実な見通し。今年度は第5次中期経営実行計画の最終年度となるが、変化と攻めの姿勢をより打ち出し成長への布石につなげていく。

     今年度はとくに事業ポートフォリオで「のばす」事業に位置付ける事業での増販や、国内の既存事業の収益改善、千葉アルコン製造のさらなる稼働改善が伸びしろ。また将来への布石として、ライフサイエンスやヘルスケア領域での新事業創出に向けて微細藻類や松資源など天然素材の機能追求を推進してきた。今年度は事業創出を目指し、一段とギアを上げる。

     既存事業では、ここ数年「のばす」事業で積極的な設備・人的投資を推進。半導体分野の回復は一様ではないが、同社の光硬化型樹脂やファインケミカル、精密研磨剤などは堅調に推移しており、投資を成果につなげる。

     一方、今年度は次期中計の準備年度でもあり、今後は天然素材を活用した新事業の業績貢献も期待される。新事業への挑戦は、社員の働きがいと生産性を向上させる好循環につながり、同社の人財育成方針ともシナジーを発揮させていく。

     また、近年は国内プラントの統廃合を進め、働きたい場所を社員が選べる新人事制度も定着してきてはいるものの、長期的にみると課題はまだ多い。同社はシェアが高く競争力もある事業が多い一方で、縮小していく市場と対峙しており、従来の枠にとらわれない幅広な選択肢の検討が必要と認識している。

     社外活動では、生物学者福岡伸一氏が提唱する生命哲学への共感もあり関西万博「いのち動的平衡館」に協賛している。26年は創業150周年の節目を迎えるが、信用と絆を大切にする価値観は変えず、小さく変わり続けることで時代の変化に合わせてきた同社の今後の変化に注目したい。
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