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  • タイ特集 岐路迎える化学産業
  • 2025年7月28日
    • PTTグローバルケミカルは本拠地のラヨン県マプタプット地区で構造改革を進めている
      PTTグローバルケミカルは本拠地のラヨン県マプタプット地区で構造改革を進めている
     これまで、汎用化学品を中心に生産能力を増やし、東南アジアではシンガポールと肩を並べる化学産業の集積地へと成長してきたタイ。その立ち位置がいま、急速に揺らぎつつある。とどまることを知らない中国による化学品の増産と輸出は、タイを含む東南アジア市場を席巻し、市況安から化学製品の利益が低下。とりわけタイでは、合成樹脂や化学品の大口需要先である自動車業界が不振に陥っていることもあり、需要も力強さを欠く。こうした状況下で、地場、外資ともに化学企業の苦戦が続いている。

    • 立ち上げ後すぐに採算悪化で停止を余儀なくされたサイアムセメントグループ(SCG)のベトナム拠点。原料をエタンにシフトすることで持続的な成長を目指す
      立ち上げ後すぐに採算悪化で停止を余儀なくされたサイアムセメントグループ(SCG)のベトナム拠点。原料をエタンにシフトすることで持続的な成長を目指す
     タイの石油化学の上流部門は、一部企業がタイ湾から産出される天然ガスを原料としているものの、多くはナフサを利用しており、原料面から競争力を引き出すことは難しい。東南アジア域内では同様にナフサを原料とする石化メーカーが多く、生き残りをかけた我慢比べの様相を呈している。こうしたなか、中国が塗り替えた市場構造のうえでは勝算が見込めないと踏んだタイ化学大手は、不採算事業からの撤退を含む事業の再構築を相次いで本格化。中長期的視点から原料転換による競争力強化に踏み切る企業も出てきた。

     これと並行し、市場環境の変化に左右されにくい特殊化学品への志向はますます強くなり、パートナー探しが課題。日本企業にとっては、石化にとどまらない幅広い領域で支援を求められることが予想され、両者が新たな協業関係を探る模索の時期を迎える。
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