大東將崇社長
扶桑化学工業のタイ現地法人・扶桑タイランド(大東將崇社長)は、主力製品であるリンゴ酸の拡販をすすめるとともに、現地拠点で生産する食品添加物製剤の訴求に本腰を入れる。タイ国内では食中毒の問題がメディアで取り上げられるなど、食の安全に関する意識が年々高まっており、日持ち向上剤や品質改良剤の需要が増加している。隣国のベトナムでも水産加工品や畜産品に向けた製剤が好調に推移しており、展示会などを通じて新規市場を開拓していく。
扶桑タイランドは、日本から輸入したリンゴ酸やクエン酸といった果実酸をタイ国内で販売することを目的に2008年に設立。11年からは食品添加物製剤の製造・販売も開始した。日系食品メーカーのタイ展開を支援するだけでなく、日系企業から生産を委託された現地企業に対しても、日本の本社と連携しながら技術面のサポートを行っている。
また、タイからベトナムへ製剤を輸出し、現地スタッフを通じた営業・マーケティング活動を本格化させている。ベトナムは水産・畜肉加工品の輸出大国であり、今後も日持ち向上や品質改良の需要が高まると期待を寄せる。8月20日から22日に開催される「ベトフィッシュ2025」にも出展する計画だ。
インドネシアでも新規市場の開拓を図っており、リンゴ酸だけでなく添加物製剤を通じた「食の安全」を東南アジアへ提案する。特に拡販に期待を寄せるのが米飯などに用いるグルコン酸だ。日本で親しまれている醸造酢よりも酸味が少なく、pHが低いため細菌やカビの繁殖を抑えることができる。パックご飯用途を中心に日本や中国と並行して東南アジア展開を加速させている。
酸化防止剤として用いるビタミン製剤にも商機を見いだす。酸化防止剤をめぐっては、日本では発がん性の恐れからほとんど使用されなくなった製剤が東南アジアの一部では使われている場合があり、「健康志向の高まりとともに、これから安全性の高い製剤への需要が急激に拡大していく。今から市場にアプローチしていきたい」と大東社長は意欲を示す。