山形洋介社長
リケンテクノスの熱可塑性エラストマー(TPE)生産拠点としてグローバル展開の一翼を担っているリケンエラストマーズ・タイランド(RET、山形洋介社長)。メインの納入先であるタイ国内の自動車産業が低迷するなか、インドや中国など海外市場で販売先を開拓し、収益の維持拡大を図る。軽量化や機能性向上の技術を取り入れた高付加価値製品も市場投入したい考えだ。
RETは、中部アユタヤ県のロジャナ工業団地に工場を構え、オレフィン系やスチレン系のTPEを手がける。このうち、高いゴム弾性と加工性が特徴の動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)は拡大傾向。加硫ゴムに比べて生産工程におけるCO2の排出量が少ないことから需要家のスコープ3低減に貢献でき、自動車の一次部品メーカーなどから採用されている。
自動車部品のうち、TPEはとくに窓ガラスと窓枠のシール材であるグラスランチャンネルやサスペンションカバーなどに用いられている。これは、従来素材であるエチレンプロピレンゴム(EPDM)に比べ、TPEが軽量でリサイクル性に優れ、より少ないエネルギーで製造、成形できるという特徴を持つためだ。
一方で、自動車生産が振るわないタイでは数量の大幅増加が見込めないため、RETではタイ以外の市場に活路を見いだしたい考え。これまでの採用実績をベースに、インドや中国において日系サプライヤーが入り込めていない部品への提案を進めていく。
また、EPDMなどからの素材代替をさらに加速させるため、発泡技術の活用も目指す。軽量化という付加価値を強みに、既存の内燃機関車だけでなく電気自動車のバッテリーやモーター周辺の部材も有望用途と見ている。
非自動車分野の開拓も課題の一つ。日本ではペングリップなどに採用事例があり、海外ではよりボリュームのある用途の探索を行っている。