スナン・トーンソン社長
“付加価値の最大化”を掲げるTSモリマー(スナン・トーンソン社長)。日系自動車向けのギアブーツの製造を開始するなど、既存設備は着々とフル稼働に向かっている。2025年は売上高を24年比で17%伸ばす計画だ。
同社は日本モリマーグループのタイ現地法人で、主に熱可塑性樹脂の射出成形製品などを手がけている。タイ国内で3生産拠点を擁し、成形のみならず、2次加工、組み立て、検査、完成品出荷にいたる一連の工程を一括で請け負うワンストップビジネスを展開している。加えて特徴として、車載を筆頭にOA、家電、メディカルといった幅広い業界から受託することで、事業の安定化も図っている。
車載事業ではタイにおける自動車生産台数が落ち込むなか、受託する部品の種類を増やすことで売り上げを維持している。6月には日系自動車メーカー向けのギアブーツの組み立ても開始した。成形だけではなく、皮革の装着までを手がけることで付加価値を拡大している。
電子機器受託製造サービス(EMS)でも25年に新たな製品の生産を予定する。また、メディカル分野の便潜血検査キットはこれまで日本市場向けに製造してきたが、欧州市場向けにも着手する。25年末には専用設備を増設、生産能力は2倍となる見込みだ。
フル稼働へ向けた動きを加速させるなか、継続的に増強も検討。23年に新設し、スペースに余裕がある第2工場への新設備導入を念頭に置く。このほか、ロボティクスなどを活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)も推進。省人化、スマートファクトリー化することで生産効率向上も図っていく。
安全第一を掲げるほか、顧客の要望に応じて環境負荷低減も促進。すでに第1、第2工場の屋根に太陽光パネルを設置したほか、顧客と協力してリサイクル材などの活用も検討していく。