三好大樹マネージングディレクター
島貿易の子会社のパシフィック・サンライズ・ホールディングは、アニマルヘルスケア事業の本格展開に乗り出す。ペット産業が好調なタイで、栄養食品や日用品関連などの高付加価値領域に照準を定める。主要な販売先だった自動車関連企業が苦境に陥るなか、現地ローカルの動物病院などへのアプローチを強化し新たな活路を見出す構えだ。
島貿易と現地パートナー企業との合弁で2002年に設立されたパシフィック・サンライズ・ホールディング。これまでの主な製品は金属部品の加工油やエポキシ樹脂などで、自動車関連の顧客が大きな割合を占めていた。タイの自動車産業が冷え込む中でも安定供給を続けながら、データセンター関連や中国系EV(電気自動車)メーカーなどへの提案も行っている。
一方で新たな柱となる事業にも力を注いでおり、狙い目はペット関連分野だ。製品は栄養食品やシャンプーなど。中でも肌荒れ対策など特殊な機能を持つ高付加価値製品が多く、主に動物病院で獣医立ち合いのもとでの販売を想定している。現在はバンコク周辺をメインに展開しており、24年には初の市場投入を実現した。今後はチェンマイやプーケットなど他地域にも展開していく考えだ。
中長期的には、売上高1億バーツ(約4・4億円)を目標に掲げる。同国のペット産業は年々成長を続けており、高付加価値製品の需要も増加する見込みだ。ノンタブリー県にある物流拠点では、新事業の需要増を見越して23年に倉庫を一つ新設した。事業は2~3年後には軌道に乗ってくる見通しで、その後は自社開発品の投入も視野に入れる。
産業向け製品を扱ってきた同社にとって、ペット関連分野の開拓は高いハードルとなる。現地の動物病院や企業との関係構築では、現地スタッフの育成強化が不可欠だ。新事業を現地スタッフがより主体的に取り組める場と位置付け、一人ひとりが能力を発揮しやすい環境づくりを進める。