五十嵐信平マネージング・ディレクター
日本タルク・タイランド(五十嵐信平マネージング・ディレクター)は、昨年に設立10周年を迎え、次期10年に向けて踏み出した。主軸は自動車向け樹脂コンパウンドのフィラーに使うタルクの販売事業。昨年から特殊グレードのタルクマスターバッチ(MB)の展開を始めるなど、事業拡大を図っている。また水酸化マグネシウム(水マグ)を注力品目に設定するなど、成長市場の東南アジアで取り組みを加速している。
同社は、グループの製造拠点がある日本、中国、パキスタンからタルクを輸入し、タイ国内で在庫販売する。また三国間貿易を利用し、東南アジアや欧米市場にも販路を広げている。
既存の主力事業である樹脂コンパウンド向けは、タイの自動車産業の減速にも関わらず新規案件を獲得し、販売数量を維持。とくにパキスタンで製造したタルクは「豊富なグレードや、品質・コストメリットが強み」(五十嵐MD)で、海外のタルクメーカーとも十分に競争力を持つ。このなかでラヨン県に構える自社倉庫を昨年末に増強し、保管能力を500トンから1200トンまで拡大して在庫販売に対応している。
昨年から取り組む、同社独自の高付加価値タルク「ナノエース」を用いたMB製品の展開も加速中。ナノエースはハイエンド用途で使用され、粒子径が微細で取り扱いも難しく、ナノマテリアル規制がある欧州では展開が困難だった。だが日系協力会社と連携しMB製品としての生産体制を整え、同国内や日本・欧州・中国でサンプルワークを行い有望視している。
またテコ入れ策として、従来は案件の少なかった水マグを注力品目に設定した。グループ中国拠点からの調達品は、日系ブランドながら価格競争力に優れる。水マグは東南アジア向け供給プレーヤーが限定的だが、電線被覆材などインフラ向け難燃剤用途で成長が見込めることもあり、拡販に傾注する。