アウトガスによるウエハーの汚染を抑えることができ、歩留まり改善に寄与する
MORESCOは、有機フッ素化合物(PFAS)を含まない半導体製造装置向けPFASフリー潤滑剤を開発し、国内外でサンプルワークを進めている。
PFAS製品は、耐久性に優れ、過酷な環境でも部品の摩耗を抑える役割を果たすため、工業用潤滑剤として幅広い用途で使用されている。しかし、難分解性のPFASは長く環境に残留する可能性が高いことから、人や環境への潜在的リスクが懸念されている。世界的にPFASに対する規制強化に向けた動きが加速するなか、さまざまな用途でPFAS代替素材の利用が検討されている。
こうした状況を背景に、MORESCOは、これまでに培った高温用潤滑油などの分子合成・配合技術を活用し、半導体製造(前工程)や検査装置向けのPFASフリーの超低蒸気圧・超低アウトガスオイルとグリースの高付加価値製品を開発した。同社の合成製品は、蒸気圧が非常に低いのが特徴で、半導体製造における高温・高真空環境下でも使用が可能。アウトガスの発生が極めて小さいため、安定した真空環境を維持できる。近年、半導体の微細化などにともない潤滑油の使用環境が厳しくなるなか、アウトガスによるウエハーの汚染を抑えることができることから、歩留まり改善に寄与する。
現在、顧客によるサンプル評価が進展しており、2026年にも電子部品用途を中心に本格販売を開始する予定。28年には電子部品から産業機械分野に拡大、30年をめどに主力製品化する方針。国内にとどまらず、PFASフリー製品市場の拡大が予想される欧米を含め、グローバル展開を視野に入れる。
さらに、データセンター向けサーバーの冷却液においても、PFASフリー製品の開発に取り組んでおり、早期市場投入を目指す。