R-20MFの製品ラベル
三愛オブリは、半導体を中心とする電子材料分野向けに金属成分の含有量を低減した防腐防カビ剤の新製品を提案する。持ち前の商社機能とメーカー機能の両面から顧客のニーズに密着し、課題解決に貢献するサービス力を強みとして、売り込みをかける。今後の市場成長を見据え、安定供給体制の確保へ設備投資を視野に入れるとともに、同分野をターゲットとした製品の拡充を推進していく。
化学品事業で手がける防腐防カビ剤「サンアイバック」シリーズの新製品として、金属イオン濃度を制御した「R―20MF」を展開する。原料の選択や製造工程の工夫、後処理により、ナトリウムほか複数の金属イオン濃度を各0・1~数ppm程度に抑制した。洗浄剤やリンス剤、研磨剤といった製品に配合、希釈されて使われるため、半導体製造工程の使用現場での金属イオン濃度としては、1ppb程度に相当する。
各種の薬液に用いられる溶媒が有機系から水系に移行することで、防腐・防カビ剤が活躍する場面が増えると見込む。一方で、従来製品は、原料や製造工程、容器などから入り込む金属成分が制御されていなかった。そこで同社は、半導体分野向けの溶剤などを取り扱ってきたノウハウを生かし、R―20MFを開発した。薬液の腐敗やカビの増殖を防ぐ機能性と、半導体製造に求められる金属イオン濃度のレベルを両立している。
2024年に上市して以来、着実に販売実績を積み上げつつある。今年度には、神奈川県相模原市の自社研究所に微量金属イオンを測定する装置を新たに導入し、開発体制を強化した。今後は引き合いの増加に合わせて、茨城県潮来市のグループ会社である三愛理研の工場に新たな専用製造ラインを導入することも検討していく。同製品を皮切りに、電子材料分野に貢献する化学品のラインアップを拡充していきたい考え。