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  • 半導体材料特集 カンケンテクノ、希ガス再利用装置を開発
  • 2025年8月25日
    • 省エネ大賞を受賞した半導体露光工程で使う希ガスのリサイクル装置
      省エネ大賞を受賞した半導体露光工程で使う希ガスのリサイクル装置
     1978年の創業以来、「きれいな大気環境を創る・守る」ことを企業理念に掲げてきたカンケンテクノ。有害ガスの処理に特化し、排ガスを無害化する装置やVOC処理装置を独自に開発・製造し、省エネと安全性を両立した技術を磨いてきた。近年は希少ガスを循環利用するリサイクル装置の事業化にも挑み、地域と調和する生産拠点づくりにも力を注ぐ。環境保全と産業支援を軸に、次代のものづくりを支える技術力を一層強めている。

     同社は、多様な有毒ガスが排出される半導体などの製造現場向けに、燃焼に頼らず電気の力で分解・無害化する技術を確立し、CO2排出を抑える仕組みを実現してきた。熱源にヒーターを用いた高効率除害装置「KT1000シリーズ」や、プラズマ式除害装置などを展開し、国内外の先端工場に採用されている。

     新規事業として、半導体露光工程で使うネオンなどの希ガスのリサイクルにも乗り出した。使用済みガスを回収し、不純物の除去・精製を一貫して行う装置を開発。混合ガスを高精度に処理し、必要な成分を補って再利用可能に戻す仕組みを持ち、90%以上の再利用を可能にする。調達リスクと環境負荷を同時に抑えられる点が評価され、省エネ大賞・経済産業大臣賞を受賞した。生産拠点のクリーンルームにも設置できるコンパクト設計であることも特徴だ。

     2023年度末には熊本県玉名市に新工場を開設し、増産対応の組立ラインを整備。今後は材料調達から出荷まで一貫生産を築く。同工場は、周辺地域の有事の際に近隣住民の避難拠点としても活用でき、現在は最大約50人を収容可能なスペースや備蓄品を備える。27年末までに段階的な拡張を計画し、製造能力向上と共に、100名規模の避難者の収容と備蓄品の拡充も進める方針だ。

     創業50周年を迎える28年には、年間5000台の装置出荷と、500億円の売上を目標に掲げる。除害装置に加え、希ガスリサイクルを新たな柱の一つとして、持続可能なものづくりと社会的責任の両立を目指す。
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