今年3月に新設した工場に設置している現像液(TMAH)貯蔵タンク
長瀬産業は前工程から後工程まで全てのプロセスに入り込む唯一無二の半導体関連企業だ。商社としてあらゆる材料を取り扱い、一方で自社でも材料の生産を手がけ、液状封止材はメーカーとして業界大手の一角を占める。薬液の温度管理や危険物の保管など物流までカバーする知見や幅広いネットワークが評価され、ラピダス向け材料輸送の取りまとめ業者の1社に選ばれた。中国をはじめとするグローバル市場でも高い存在感を発揮しており、オンリーワンのポジションで半導体市場の成長を支える。
半導体関連で国内外の約300社と取引があり、原材料にあたる化学関連企業の取引先は1万8000社にものぼる。原材料から最終ユーザーまで広範なネットワークを築いてフルバリューチェーンで関わり、業界を熟知するのが長瀬産業の強みだ。
一部のプロセスは、メーカーポジションとしてナガセケムテックスが液状やシート状の封止材、リソグラフィ材料などを手がける。とくに液状封止材は次世代パッケージで引き合いが強まっており、引き続き最先端のニーズに応えていく。そのほか独子会社が半導体ウエハーバンピングの受託加工を展開している。
今春、米セイケム社のアジア地域の半導体用高純度化学品事業を買収し、前工程の主要原料もポートフォリオに加えた。国内初となる現像液のリサイクル事業にも取り組み、東大阪市に開設した回収・再生事業を行う新工場を2025年度中に稼働させる。
グローバル市場では、中国で圧倒的なプレゼンスを誇る。中国の半導体関連の会合で長瀬産業が座長を務めるなど、同社が持つネットワークや知見が中国半導体産業の発展に貢献している。中国の半導体の実力を熟知するため、日本の半導体材料メーカーからの信頼も厚い。
インドでは60年にわたってビジネスを展開しており、5カ所目の拠点をグジャラード州に設けた。新拠点でエレクトロニクス分野の開拓を進め、インド半導体市場に先手を打つ考えだ。