松田大悟 社長
トクヤマシンガポール(松田大悟社長)は半導体製造プロセス材料のメーカー機能、トクヤマグループの商社機能の両面を持つ。さらに、徳山製造所(山口県周南市)の自家火力発電設備用にバイオマス燃料の調達も支えていく。
メーカー機能としては、半導体製造において精密洗浄・水切り乾燥工程に使用する高純度イソプロピルアルコール(IPA)とフォトレジスト用現像液のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)を手がける。徳山製造所から輸送した両製品を自社工場で精製などを施し、小分け・充填した後、シンガポール国内の半導体メーカー向けを中心に供給している。
東南アジアで高純度IPAを製造しているのは同社のみ。TMAHには海外品も流入するが、現地生産している優位性を発揮。両製品とも堅実に販売数量を増やしており、その過程で必須となる安定供給体制の強化策も講じている。2024年にはTMAHの充填能力を従来比、倍増する投資を完了した。シンガポールにおける半導体産業の高度化を捉え、同社の収益面で存在感を示している。
一方で、トクヤマアジアパシフィックと22年に統合した経緯から、セメントやカ性ソーダ、塩化ビニル樹脂などのトクヤマグループ製品を東南アジア地域に拡販する機能も担う。徳山製造所で使用する原塩などの原料について、本社の購買と連携して調達する機能も果たしている。
さらに今後は、バイオマス燃料の調達支援機能を備えていく考え。徳山製造所にある自家発電所では、ボイラー燃料を従来の石炭からバイオマス混・専焼に切り替える低・脱炭素化を進行中。パームヤシ殻を有力なバイオマス燃料の一つと位置づけるなか、東南アジアの豊富な調達背景を紹介するなどの役割が求められる。マレーシアに置くバイオマス燃料を探索する専任部署・人員とも連携していく。