中沢修 社長
三井エラストマーズシンガポール(MELS)は、エチレンαオレフィン共重合体「タフマー」の新プラント稼働に向けて大詰めの時期を迎えた。ポートフォリオ改革の一環として対象市場・用途の多極化を急ぐなか、次の成長領域としてインドの自動車市場などが浮上。その他新興エリアなどでの増販も織り込んで数年内のフル稼働につなげる考えだ。
タフマーは樹脂改質材・軟質成形材料として多用され、バンパーなどの自動車用部品やシューズ、包材向けなど幅広い適用先を抱える。MELSは事業のグローバル本社機能を果たしつつ、ジュロン島で主にエチレン系の大型銘柄を生産。まもなく新系列12万トンが加わり、年産能力は34万5000トンに増大する。
目下の課題となるのは仕向け先の多極化で、中沢修社長は「グローバルで拡販を進めるが、インド・中東・アフリカを将来的に有力な成長エリアと見込む」と話す。背景にあるのは中国市場の変化があり、これまでタフマーの成長を支えた太陽電池(PV)の過剰生産や他社の大型プラント稼働など競争環境の厳しさが増す。
MELSはグローバルでの拡販と顧客ニーズに対応した新銘柄の投入を継続し、その両輪によってポートフォリオ改革を進める考えだ。とくにインドでは日系顧客・現地系顧客の開拓に取り組み、他社品からの切り替えや自動車向けPP(ポリプロピレン)コンパウンドへの添加用途での伸長を見込むほか、PV製造の国産化といった商機もあり、中国に次いで封止材用途の成長を見込めそうだ。
MELSではエチレン系銘柄を中心としつつも新銘柄の投入を続ける方針だが、こうした成長市場のシフトには対応。主にプロピレン系・ブテン系の中小銘柄で5万トン能力を有する市原工場(千葉県市原市)との間で効率的な生産体制を構築し、実行していく。