井上尚之 社長
住友化学アジア(SCA、井上尚之社長)は、メタクリル樹脂(PMMA)の特殊品・高付加価値品分野へのシフトを加速させる。参入障壁が高く、市況に左右されにくい分野で収益基盤の安定化を図る。すでに数量ベースで約5割を特殊品・高付加価品が占めているが、「2030年には大半を汎用品から置き換える」(井上社長)考えだ。
24年にPMMAとその原料であるメチルメタクリレート(MMA)の生産能力を削減。PMMAの生産能力を年5万トンとした。これにともない事業の再構築を実行、15あったPMMAのグレードを特殊品を中心とした8グレードに絞った。
とくに自動車分野に注力しており、加工性に優れたバイモーダルグレードをベースとするピアノブラック製品は外装用途に、耐衝撃性製品はテールランプカバーなどに採用されている。これらを成長市場で拡販していく方針だ。
また、生産性向上にも継続して取り組んでいく。絞ったグレードごとに最大限の生産量を得られるよう条件の最適化を図っており、26年春には体制が整う見通しだ。26年度には酸化触媒を更新予定で、さらなる効率化を見込む。グループで進めるライセンスビジネスでも唯一のPMMA生産拠点として導入サポートなどの役割を果たしていく。
グループ製品の販売では域内最大の市場であるベトナムやインドネシアなどで引き続き農薬や生活環境品に注力。半導体プロセス向け材料なども拡販していく。加えてシンガポール経済開発庁(EDB)などとの連携を推進するチームも結成、医療、バイオ、環境など幅広く事業機会を探っていく方針だ。
地域統括会社としての支援も強化していく。26年早々にも人工知能(AI)やデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する専門チームを始動する。まずはSCA内で適用検討し、域内グループ企業に応用していく。