大矢宏一 社長
日本触媒グループのシンガポール拠点である日本触媒アジア(NSA、大矢宏一社長)は、アクリル酸をはじめとする基礎化学品の製造・輸入販売を通じて、東南アジア・南アジア市場における供給のハブとしての役割を担っている。市場環境の変化に柔軟に対応しながら、グループ内拠点との連携強化やローカル人材の育成にも注力。アクリル酸、アクリル酸エステル、建設分野向けソリューション製品まで、多様な事業を通じて地域密着型の展開を進めている。
同社は、ジュロン島で日本触媒と東亞合成の合弁会社シンガポール・アクリリックから粗アクリル酸を受け入れ、精製した後に域内の顧客へ供給。周辺諸国を含む幅広いユーザーへの安定供給体制を維持している。
市場環境が変化するなかでも柔軟な対応を進めており、今後は日本・インドネシア・シンガポールの3拠点による連携を強化。稼働バランスの最適化を通じ、変化する地域ニーズに合わせた供給体制の構築を進めていく。
輸入販売を担うアクリル酸特殊エステル事業では、日本国内製造品を軸にインドなど成長市場への提案活動を強化。建築用塗料用途などでニーズの高まりがみられるなか、用途提案力を生かした価値提供にも力を注ぐ。
また、ソリューションズ事業として展開するカルボン酸系ポリマー「アクアロック」は、コンクリート用途で実績を積み上げており、東南アジア、インドを中心に建設関連用途での導入が進む。顧客の多様な配合に応える柔軟性や、日本国内での試験体制を生かした性能データの提供などが評価されている。さらなる市場拡大に向け、用途や地域に応じた提案の幅を広げていく。
人材育成では、ローカルスタッフのスキル向上に注力。自社製品への理解に加え、顧客の課題や業界構造、物流・サプライチェーン全体の知見を備えた「提案力ある人材」の育成を目指している。現地実務を通じた教育を重ねることで、地域に根ざした営業力の強化を図る。