大沢二郎 ゼオンアジア社長
日本ゼオンは、シンガポールにおける溶液重合スチレン・ブタジエンゴム(S―SBR)生産体制を転換する。現地生産は長らく汎用グレードが主だったが、新興勢の台頭や客先ニーズの変化を受けて付加価値シフトを決断。2026年以降生産品目の次世代品への切り替えを加速させる。一方で高機能樹脂の輸入販売も変化し始め、25年からシクロオレフィンポリマー(COP)のマーケティング活動をふたたび強化した。シンガポール周辺で新たな半導体ファブが立ち上がりを迎えるなか、新規案件を獲得していく。
同社グループはシンガポールに2拠点を構え、商社機能を果たすゼオンアジア(大沢二郎社長)がグループ製品の東南アジア・インド向け販売を担当。ジュロン島のゼオンケミカルズシンガポール(ZCS、浅野浩一社長)はタイヤ向け溶液重合スチレンブタジエンゴム(S-SBR)とブタジエンゴム(BR)の生産・グローバル供給を手がける。
ゼオンアジアの大沢社長は「今年は米関税政策が景気後退を招いたエリアもあるが、インド向けは合成ゴムを中心にやや増加がみられる」と指摘。現地系タイヤメーカーで低燃費タイヤ向けS―SBRのニーズが拡大しており、ZCSで計画する特殊グレード生産もこれへの備えとなる。また非タイヤ向けの特殊ゴムも伸長。シンガポールに置くアジア・テクニカル・サポート・ラボラトリー(ATSL)からの技術サービスが寄与したほか。自社も出資するゼオンインディアへの技術要員の派遣も高い評価につながったという。
今年は半導体・光学・医療分野を狙ったCOPの拡販にも本腰を入れた。COPのシンガポール販売はウエハー搬送容器(FOUP)向けに実績を積んできたが、大沢氏は「地場で開発段階から参入することが重要になり始めた」と強調。新規顧客・新用途の両面から上積みを図る。