前回より規模を拡大し、材料から工場設備、サプライチェーン、学術・研究機関の取り組みまで幅広い内容の展示・講演が行われた
10月8~9日にマリンメッセ福岡(福岡市博多区)で開幕した第2回九州半導体産業展(第1回次世代物流展と併催)。第1回より規模を拡大し、半導体の前工程・後工程の材料や工場設備、物流などのサプライチェーン全体、学術・研究機関の取り組みまで幅広い内容の展示・講演が行われた。九州全体で半導体産業の基盤拡充が進むなかで、「新生シリコンアイランド九州」として各地で取り組みが活発化している。
産業技術総合研究所(産総研)九州センターは今年4月にセンシング技術・次世代パッケージング(SentePack センテパック)コンソーシアムを開始。年率10%の成長が見込まれる高成長市場への対応を呼びかけ、すでにJX金属やリンテック、TOPPANなどが参加。現在4ワーキンググループで技術検討・情報共有など活動を進めており、広く会員募集を呼びかける
4大学、約2600人の学生が集まる北九州学術研究都市(北九州市若松区)も活動を活性化している。北九州産業経済局は2月に「G-CITY戦略」を策定。半導体関連などの企業誘致や研究者の招へい、大学設備の共有化などを進める。すでに海外からも注目を集めており、世界的な人材育成・産学連携拠点として育んでいく。
<供給網や日台連携に焦点>
半導体サプライチェーンの進出・増強が相次ぐなかで大きな課題となるのが物流。岩谷産業の大型拠点「イワタニ熊本ガスセンター」(熊本県熊本市)では毒性、可燃性、不活性の各種ガスや液体材料に対応。取り扱いガスの順次拡張も予定し、全体を包容する体制を目指す。世界情勢や脱炭素などの環境変化を見据えた調達体制を支えていく。
ロームグループは九州では福岡県・宮崎県で前工程4拠点、後工程1拠点の5拠点体制で展開する。最先端の炭化ケイ素(SiC)パワー半導体や微小電気機械システム(MEM)、高周波IC、マイコンなど多彩な製品を展開し、ファウンドリサービスも提供する。来年4月には前工程をローム・デバイス・マニュファクチャリング、後工程をローム・アッセンブリ マニュファクチャリングに統合するなど、一層の体制強化を進める。
特別セミナーではITRIの林昭憲産業科学技術国際戦略所長が講演した
台湾との連携も活性化している。特別セミナーで講演した台湾工学技術研究院(ITRI)の林昭憲産業科学技術国際戦略所長は、最新の半導体戦略や九州との産学官・公的研究機関の協力を紹介した。
とくに学術連携では九州大学が台湾積体電炉製造(TSMC)や陽明交通大学、台湾大学学術連盟(UAAT)とパートナーシップを締結。共同研究や入学枠の設置、講師の派遣などさまざまなかたちで連携を深める。講演では共通の課題となる人材不足対応に向けた交流や世界をリードする研究開発とともに、サプライチェーン連携や投資・合弁の活発化、半導体産業での日台共栄を呼びかけた。