ランディ・クイーン 米州統括執行役員
三菱ケミカルの米州地域を統括する現地法人、三菱ケミカルアメリカ(ランディ・クイーン米州統括執行役員)は、最も重要な成長地域の一つである米国でグループの成長戦略を推進している。半導体、自動車、医療、食品保存の4領域を軸に、中長期の需要拡大を見据えた事業強化に取り組む。関税政策など短期的な不確実性はあるものの、「価値重視企業として、確かな成果が出せる」(クイーン氏)と長期的な成長に自信を示す。
米国ではMMA、EVOH、炭素繊維・コンポジット、高機能エンジニアリングプラスチック、ポリエステルフィルム、特殊樹脂など、グループの主要事業を幅広く展開。その中で規模が大きい自動車向けは、米国最大級のポリプロピレンコンパウンド拠点を活用し日米OEM双方に供給する。足元は不透明だが長期的には電気自動車とハイブリッド車が主流になると見通し、軽量化素材や安全部品向け樹脂を強化している。
半導体分野は2020年に買収したジェレストが競争力の中核。シリコーンやフォトレジスト前駆体など高付加価値材料を展開し米国に研究開発と販売機能を持つ。エンジニアリングシェイプ&ソリューション事業部も半導体製造装置向け高機能エンジニアリングプラスチックで存在感を高める。
医療は安定成長が見込まれる分野で、高純度ポリマーをインプラントやコーティング用途に拡販。グループが採用する堅牢なコンタミネーションおよび減菌基準の管理体制で、米国医療機器メーカーとの連携を強化する。
食品保存では、グローバルサプライチェーンを活用、EVOHの強固な生産体制を背景にバリア性と環境対応を両立した包装材を開発し、リサイクル適合性やバイオ素材との組み合わせを進める。
29年度までの中期経営計画に沿ってポートフォリオ改革と収益改善を推進。拠点統合やERPシステムの集約・統合で効率化を図りROI重視の投資判断を一層強化。米国での買収によるシナジー効果がこれまで以上に生み出されつつある。