本田英輝 社長
三菱ガス化学アメリカは、1984年の設立以降、中南米含む米州や欧州市場へのMGCグループ製品の販売や市場開拓を担ってきた。3カ年の中期経営計画「Grow UP 2026」が後半戦をむかえるなか、「主力3事業の競争力の維持・強化に努めながら、新事業をきっちりと立ち上げていきたい」(本田英輝社長)考えだ。
メタノール事業は、ベネズエラやトリニダード・トバゴの産ガス国の合弁事業パートナーの協力のもと、国内取引先や物流事業者との戦略的提携も深め、販売競争力の一段の向上を図る。新規顧客の開拓に努めるとともに、米国におけるカーボンニュートラルの動向に沿った対応の見極めも重要となる。
芳香族系事業は、メタキシレンジアミン(MXDA)については、米国はじめ、中南米市場中心に新規需要を獲得する。食品包装用途などガスバリア用樹脂として拡販が進む「MXナイロン」は、顧客への技術サービスを含めた付加価値提供を通じて増販を図る。米国のリサイクル業界団体APRから、PETボトルにおいてMXナイロンを5%含有してもリサイクル性の基準を満たす(従来は3・3%)との認証を受けたことも追い風に、飲料メーカー大手などでの採用を目指す。
脱酸素剤事業は、PFASフリー品をラインアップし、一時失った米国市場のシェアを奪還するとともに、他社品ユーザーの取り込みを図る。また、生肉用として米国最大手の精肉メーカーにも食い込んでいきたい考え。医薬品や精密機械向けなど工業分野への展開も視野に入る。
新たな柱として期待するのが2019年から事業化に取り組んできた熱硬化性樹脂プリプレグ製品だ。常温保管、廉価な投資でのオーブン成形が可能で、航空宇宙用途などで要求される機械特性や電気特性も併せ持つ。耐熱性や低誘電の特徴を生かし、現地の航空・宇宙分野で実績も生まれている。「今後の伸長が見込まれることから、北米での事業化に向けた準備を進めていく」。