リチャード・サベ 社長
稲畑アメリカは、米国で新規事業を創出し続け、持続的成長につなげる。ライフサイエンス領域では日本の受託開発・製造(CMO)と協業し、新規モダリティ(治療手段)向けの開発に取り組む米製薬企業にワンストップサービスを提供する。2026年には複数案件の実績化を目指している。また環境エネルギー関連ではペロブスカイト太陽電池材料の提案も進める。
稲畑アメリカは情報電子と合成樹脂を2本柱に、ライフサイエンス、食品、化学品など幅広い分野で輸出入販売を展開している。
ライフではドラッグ・デリバリー・システム(DDS)素材で成功を収めてきた。今後は遺伝子治療薬や抗体薬物複合体(ADC)などを対象に日本のCDMOのサービスの提供も強化する。リチャード・サベ社長は「プロセス開発や精製工程も含めワンストップで受託できる」と話す。早くも26年には高活性APIの供給など5、6件の案件の実績化を目指す。
エネルギー関連では太陽電池材料で大口顧客と取引しているが、ペロブスカイト太陽電池への関心も増加。米国では将来的に50ギガ~60ギガワットの発電がペロブスカイト太陽電池に置き換わると予測されており、日系メーカーと連携し「ホール輸送層など構成材料のすべてを供給していく」と意気込む。
情報電子関連ではデータセンター需要も見込める半導体をはじめバッテリー、ディスプレイ材料を扱う。足元ではOEMメーカーが塗装代替として注目している自動車外装加飾フィルムの提案も強化し、一部で開発プロジェクトも進展中だ。
合成樹脂は自動車向けが大半。部品を製造するメキシコ関連会社にはアジアなどグローバル拠点から材料を輸入しているが、米政府の関税政策の影響は軽微としている。
また、電気自動車(EV)向け材料は停滞気味だが、「環境関連ニーズは中長期で伸びていく」(サベ社長)とみている。