本間啓史総経理
<上海偉帝希商貿有限公司(ytc上海)>
山本通産の現地法人である上海偉帝希商貿(ytc上海)は「地殻変動」が起きている中国で新規顧客の獲得やビジネス拡大によって、さらなる飛躍を図る。2025年12月期でytc上海の売上高は過去最高を記録した。輸出およびインクジェット事業の伸長が主な要因。26年はさらに複数のビジネスが結実する見込みで、2年連続での過去最高収益を狙う。
同社が扱う顔料や添加剤はサプライヤーの再編・統合によって勢力図が大きく変化している。それに伴い撤退や調達が困難となった原料や関連製品も少なくない。同社はグループ各国で調達が困難となった中国産原料を調達・輸出販売している。その代表的な事例が酸化チタンだ。坤彩科技投資の傘下である正太新材料科技(福建省)が世界で唯一工業生産する塩酸法酸化チタンを日系企業に販売する。同社の酸化チタンは製造工程において産業廃棄物が排出されないことが特徴で、さらに二酸化炭素(CO2)排出量も従来手法より少ないことも強み。
ytc上海の本間啓史総経理は「業界再編が進む中、短期的な戦略としては代替ソースの探索やニッチな原料などを扱い、サプライチェーン(SC)の隙間を埋めていく。中長期的には坤彩など大手原料メーカーとの連携を強め、新たな成長ドライバとして業容の拡大を図っていく」と展望を語る。
今期、期待を寄せるのがインクジェットインキ業界向け事業。同用途向けに使用する日本産の樹脂や添加剤などの現地販売の実績を積み重ねていく。特に中国では環境配慮の観点から水系ニーズが年々高まっており、競合の参入が多いテキスタイルや包装業界においても安定した成長が見込まれる。
新規開拓については、中華系の台頭によってSCの再構築が進んでいる分野をリサーチ、顧客ニーズや業界の動きにアンテナを張り、新規顧客の獲得を目指す。
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