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  • R&D特集 広栄化学、CO2吸着アミンなど柱に
  • 2026年2月24日
     <上川徹 執行役員 研究開発本部長>

     広栄化学は気相反応、高圧反応、超低温や禁水・禁酸素などの特殊条件下での精密有機合成反応といった独創的な有機合成技術を磨いてきた。これらの技術を駆使してアミン類、ピリジン類などの基盤製品や、医農薬中間体、有機金属触媒などのカスタム合成(受託)製品、イオン液体などの機能性製品を手がけている。中期経営計画では二酸化炭素(CO2)吸収材向けアミン化合物及び有機金属触媒を成長ドライバーと位置づけ開発に注力する。同社は、新製品開発、受託合成にスピーディーな対応を行うことをモットーに、顧客のニーズに応えていく。

     CO2吸収材向けアミン化合物は、顧客が開発した化合物の工業化の受託と大気中のCO2を直接回収するダイレクト・エア・キャプチャー(DAC)向け自社製品の開発を両輪で展開。DAC向けは酸化劣化への耐性が高く、吸収脱離性能の高い化合物の開発に成功し、サンプルワークを開始した。

     有機金属触媒は、自動車や半導体など最先端材料に使われるハイエンドポリオレフィン用途向けに特化しており、同社が得意とする複雑な工程のプロセス設計や高難度の工業化技術を駆使して顧客のニーズに迅速に対応することで収益拡大を狙う。

     帯電防止剤向けイオン液体は、欧米で有機フッ素化合物(PFAS)使用制限の動きが広がる中、PFASフリー、フッ素フリー製品の開発に成功。

     また、住友化学とは光学材料や医薬品中間体などの分野でシナジーの拡大を図る。

     取り巻く環境が大きく変化する中、従来にも増して組織の壁を越えた「製販研」一体の対応が不可欠となる。研究開発テーマを審議する「R&D会議」では、研究開発部門だけでなく、全役員と関連する全部門が一堂に会する場での議論を通じて意思決定のスピードを速める。さらに、知財情報を協業先探索に生かす「IPランドスケープ」も積極活用し、知財を使いこなせる人材育成にも注力する。

     研究開発本部では風通しの良い職場環境を重視している。研究員が楽しく前向きに研究に打ち込み、その成果を社会に還元する好循環を生み出していきたい。
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